Love

珍奇植物図鑑。原種と交配の両面から急激な発展を見せるジャンル「ホマロメナ」

「カッコイイけど栽培が難しそうだよね……」なんて、今まであきらめていた植物も、LEDライトの進歩のおかげで挑戦しやすくなってきた。そんなLEDライトでの栽培に相性が良い植物たちから、ビザールで魅力的な植物「ホマロメナ」を集めてみた。

photo: Akira Yamaguchi / text: Shogo Kawabata / special thanks: Keisuke Hase

「ホマロメナ」とは?

東南アジアに広く分布する中〜小型のサトイモ科の植物。「チャマエクラドン」と呼ばれる一部のグループがインドネシアのスマトラ島で非常に多様化しており、新しい特徴を持つ未記載種が次々と発見されている。日本ではそれらを使った交配も行われるようになっている。

ホマロメナ ペクサ

ホマロメナ ペクサ
Homalomena aff. pexa

スマトラ島の北部で発見された未記載種。ワインレッドの葉から葉柄、仏炎苞(ぶつえんほう)まで全体がびっしりと軟毛に覆われるユニークなホマロメナ。育成は容易で、定期的に植え替えればミズゴケのみでもよく育つ。

ホマロメナ不明種

ホマロメナ不明種
Homalomena sp.

スマトラ島リアウ州の比較的明るい林床で発見された未記載種。ホマロメナの「チャマエクラドン」と呼ばれる分類群で、葉模様を持つのは今のところ本種のみ。自生地環境から見て、多少湿度が低くても育ちそう。

ホマロメナ ハセイ

ホマロメナ ハセイ
Homalomena cf. hasei

葉面に荒く毛が生える、インドネシアはスマトラ島アチェ州の固有種。渓流沿いの岩などに着生して生長する。写真は細葉のタイプ。種名は植物探検家・長谷圭祐氏に献名されている。

ホマロメナ不明種

ホマロメナ不明種
Homalomena sp.

スマトラ島リアウ州の滝で発見された未記載種。本来、鮫肌状のザラザラした葉を持つ種なのだが、時折この個体のように葉面のテクスチャーが消失したものが見られる。育成はやや癖があり、生長が非常に遅い。

ホマロメナ不明種 ピンクヴァリエガータ

ホマロメナ不明種 ピンクヴァリエガータ
Homalomena sp. pink variegata

鮮烈なピンクの斑(ふ)が非常に美しいホマロメナ。現在のところ斑の継続性も申し分なく、この株を親に使った交配でどんな表現が出てくるのか興味深い。欧州にも似た株が送られ、今後の流通が期待できる。