魅惑的な葉を持つアンスリウムとモンステラ。どちらもサトイモ科に属する南米のジャングルプランツであり、樹木や岩に着生して生息しているため、明るい日陰を好み、インドアグリーンに向いている植物だ。原種の数が多く、その見た目はバラエティに富んでいて、さらに世界中で多種多様な交配種が作出されていることで、近年植物好きの間で注目度が増している。そんな南米のアロイドを栽培する園芸家〈Urban Jungle〉こと北山高志さんを訪ねるべく、富山にある〈北山ナーセリー〉へと足を運んだ。

「父親と営む〈北山ナーセリー〉の横に3つの温室を持っていて、モンステラ、アンスリウム、フィロデンドロンと種ごとに分けて栽培しています。僕は一年の半分以上海外にいて、そこで仕入れた熱帯植物をここで増やして卸したり、イベントで販売したり。最近は主にタイにいますね」
富山駅からタクシーで10分ほど行くと現れる北陸最大級の園芸店〈北山ナーセリー〉に着いて早速、ご自慢の温室(非公開)に案内してくれた北山さん。まずはアンスリウムの温室の扉を開けると、色とりどりの葉を持ったアンスリウムがずらっと並んでいた。
「アンスリウムは600種類以上の原種があるため、ハイブリッド(交配種)のバリエーションが豊富で面白いんです。葉脈が赤くなるもの(レッドヴェイン)や、ラウンド状や三角形の葉形になるものなど。日本ではダーク系が人気ですね。交配種の数だけ物語があって、面白いんですよね」
交配種にはブリーダーが名前をつけるのだが‘ミシェル’‘エースオブスペード'‘ブラッドムーン'など、響きがかっこいい。続いてモンステラの温室へ。
「モンステラは観葉植物として知っている人もいますが、日本で流通しているのはデリシオサばかりで、本当はもっとたくさん面白い種があるんですよね。僕はもともとモンステラのコレクターなのですが、モンステラの多様性を広めたいと思っています」
モンステラは比較的丈夫とのことだが、アンスリウムは少し難しいという。綺麗に育てるには?
「アンスリウムは高山帯から低山帯まで生息域が幅広いので、少し難しい種もいますが、基本的には高湿を好みます。ただ過湿は苦手なので、上は湿っぽく、土はやや乾いている、みたいな状態がベターです。自宅で栽培する場合は、25℃くらいの室温でLEDを当てて、グロウテントやガラスケースを使うといいと思います。意外と簡単に交配ができるので、自分で交配種を生み出す楽しみがあるのも、アンスリウムの良さですね」
インドアグリーンにぴったりの、多様性に満ちた南米植物たちを堪能することができた。まずは、栽培しやすいモンステラから始めてみるのがいいかも?























