古き良きアメリカ伝統の風景写真に、真っ向から立ち向かった写真家たち。その静謐な作品の奥に見え隠れする青白き炎が、自然を愛する写真家の闘いの矜持だ。
Robert Adams(ロバート・アダムス)
ニュートラルな目で自然と人間の関わりを描く。
アメリカ西部の風景を長年にわたって撮影/自然と人の暮らしの関係を当事者の目で描く/子供の頃に慢性の気管支喘息を患い一家でコロラドに引っ越す/元国語(英語)教師/26歳のときに35ミリ一眼レフカメラを購入し写真を始める/ローライフレックスとフジの67のほか35ミリから4×5まで、作品ごとにカメラを替える。
Stephen Shore(スティーブン・ショア)
10代からキャリアを積んだ早熟にして長命な天才。
「ニュー・カラー」の代表的作家の一人/10代の頃にアンディ・ウォーホルの〈ファクトリー〉に出入りし撮影/14歳でMoMAに作品を3点買い上げられる/『American Surfaces』(1972年)ではコンパクトカメラのローライ35で旅のメモ風に撮影/1973年からは大判カメラで情報量の多い写真を撮影し『Uncommon Places』にまとめた。
Alec Soth(アレック・ソス)
夢と写真をこよなく愛する、アメリカンフォトグラファー。
ウォーカー・エヴァンス以来のアメリカンドキュメンタリーの正統な後継者/写真集コレクター/日本の写真集では深瀬昌久の『鴉』が好き/写真は編集だ/写真集レーベル〈Little Brown Mushroom〉を主宰/「あなたの夢はなんですか?」と被写体に問いかける/初期は8×10の大判カメラ/生まれ育ったミネアポリスで活動。