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私はこうしてパートナーと出会った!ペットとの生活をはじめた8人の物語

心が喜ぶ 豊かな暮らしをはじめる。おだやかな気持ちで毎日を過ごすための生活習慣や趣味。やってみたい、やらなければ、と思いながら、先延ばしにしていることが誰しもあるはず。気構えず、楽しい入口を知って、心が喜ぶ豊かな暮らしをはじめよう。

illustration: Natsuko Yoneyama / text: BRUTUS

出会いを待つのもいい

その気になれば望み通りの種類やタイミングを選んで飼えるペット。でも、なかには思わぬきっかけで動物と巡り合い、かけがえのないパートナーになったという人も多い。劇的な出会いは絆をより強くするのだ。

ブリーダーが放棄した
元繁殖犬をレスキュー

とあるペット譲渡サイトで出会った9歳半のゴールデンレトリバー。飼い主はブリーダーで、譲渡理由は「精子が出なくなった」というもの。つまり繁殖用の犬だったのです。

コテコテに固まった毛に櫛を入れ、汚れて悪臭を放つ体を何度も洗うと、ふわふわで、かわいい姿になりました。以前は排泄時にしか外に出られなかったそうで、外の世界に興味津々。

ボール遊びが大好きで、とてもおおらかな性格です。長い間、辛い生活をしていた分、「絶対この子を幸せにする!」と誓い、以前に増して仕事を頑張る日々です。

病気を抱えた地域猫
治療したくて家族に

よく庭に遊びに来ていた地域猫でしたが、呼びかけても知らんぷり。でも2年前の元日、初詣の帰りにトコトコとついてきて家の中に。以来、毎日家に来てはくつろぎ、夜中も「家に入れて」と鳴くようになりました。

よく見ると鼻に病気があり、呼吸器にも何か疾患があるようで、なんとか治療をしてあげたいと、家族に迎え入れることにしました。10年間ほど地域猫だったようですが、すぐに家でのトイレも覚え、すっかり家猫に。

家族以外の人間も大好きで、おばあちゃんだけど、赤ちゃんみたいに甘えん坊です。

人と犬とのお見合い⁉
里親探しマッチング

特別犬種へのこだわりがなかったので、飼うなら身寄りのない保護犬をと思っていました。でも仕事柄、留守番が多いなどの理由で保護団体から譲渡を断られたことも。

そんなとき、迎える側のライフスタイルや人柄をじっくりと聞き、それに合った性格や個性の犬をマッチングしてくれる施設を知りました。

ブコウスキーはすでに成犬でしたが、施設の方が性格を熟知していたので、譲渡後も的確にアドバイスをくれて助かっています。仔犬時代から飼う楽しみもありますが、自分にとってはこれがベストな出会い方でした。

ネットでSOSを発見し
スクランブル出動!

大の猫好きで、暇さえあれば猫の里親探しサイトを閲覧していた私。あるとき「両親が離婚するので、猫を飼えなくなる」という高校生の投稿を見つけました。

連絡すると「あと1ヵ月で保健所に連れていかれる……」とのこと。いてもたってもいられず、新幹線に飛び乗りました。親の協力が得られず、一人電車を乗り継いで新幹線の駅までやってきた女子高生。

別れ際、「寂しがり屋なので、たくさん撫でてあげてください」と言った寂しそうな顔が忘れられません。愛情のバトンをしかと受け取って、大切に育てています。

先代猫にうり二つ
生まれ変わりと信じて

リトの本名はリトル・アビ。先代猫のアビからとったものです。アビは20代の頃に飼っていた子で、元は彼女(今の妻)がベビーシッターとして働いていたお金持ちの家の猫でした。

一日中、狭いケージに閉じ込められていたので、彼女と僕は留守番中にこっそり外に出して一緒に遊びました。結局、夫婦が猫を手放すというので引き取ったのですが、数年で亡くなりました。

その後、保護猫団体でアビにそっくりな子を見つけて、「アビの生まれ変わりだ」と真剣に思った僕たち。今度こそは長く、幸せに暮らしてほしいな。

預かりボランティアで
老犬の愛らしさに開眼

東日本大震災をきっかけに動物愛護団体でのボランティアをはじめました。タケの飼い主は福島県で被災し、家族一緒に暮らすのが難しい状況ということで、一時的に犬を預かる「預かりボランティア」として一緒に暮らしはじめました。

すでに老犬だったタケは残念ながら飼い主の元に戻る前に我が家で看取ることになりましたが、散歩が好きで、嬉しいことがあると尻尾をゆったりと振って喜ぶ、かわいい子でした。
以来、老犬の愛らしさの虜になり、引き取り手の少ない老犬を預かっては、幸せな日々を過ごしています。

一時保護だったはずが
いつしか情が移って……

向かいの家の屋上から聞こえる猫の声。窓から見ると小さな毛の塊が!家主が保護する気配がなかったので、了承を取ったうえで、とりあえず病院に連れていきました。

へその緒がついた状態で、ネズミくらいのサイズ。この状態で里親を探すのはあまりに無責任だと、ある程度まで育てようと思ったのですが、自分でミルクも飲めないし留守番なんて無理。

カゴに入れて撮影現場まで連れていくという苦肉の策で乳離れするまでの期間を乗り切りました。そうしているうちに情が移り、今ではすっかり大きな猫になりました。

地震で生き別れた兄妹犬
奇跡の再会がくれた幸せ

オーティスは2016年の熊本地震で被災した犬。地震の後、母犬とオーティスを含めた仔犬6匹でさまよっていたところを捕獲され、それぞれ保護団体を通して譲渡されたそうです。

ある日、犬と近所の公園を散歩していたときのこと。オーティスにそっくりな子を連れている女性に会いました。思わず声をかけると、なんとオーティスの兄妹!

後日、もう3匹の兄妹の飼い主とも奇跡的にSNSで繋がり、交流がはじまりました。引き取ったのは1匹ですが、今は5匹分の楽しみ、幸せをもらっています。