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サメ映画の次にくる、動物パニック映画はなんだ!?

もはや映画のジャンルとして確立されたと言ってもいいサメ映画。しかし、世界にはサメ以外の動物が暴れ回るパニック映画も溢れている。今回はパニック映画の情報をTwitterで発信し続ける、人間食べ食べカエルさんに、次なる動物パニック映画を予想してもらった。

text: Katsumi Watanabe

動物パニック映画の金字塔『ジョーズ』(1975年)公開から、もうすぐ半世紀。普及の名作を追随し、これまで数々のインスパイア系、さらにパロディ・発展系の作品が製作されてきた。近年では、『午後のロードショー』(テレビ東京系列)で、台風に吸い上げられながら巻き込まれたサメが空を飛ぶ『シャークネード』(2013年)、海中から離れて砂浜を泳ぐ『ビーチ・シャーク』(2011年)など。平日の昼間からオンエアされ、好事家たちは歓喜し、「もしかしてサメ、流行っているんじゃ?」と、映画好きたちもザワつかせ、注目を集めているほど。それほど“サメ映画”は、ひとつのジャンルとして確立されているのだ。

さらに、サメ映画のヒットに続き、実は日々世界中では動物パニック映画が製作、公開されている。そこで、ホラーはもちろん、動物パニック映画に関するTwitterのフォロワーが約17万人いる人間食べ食べカエルさんに、サメの次にくる、動物パニック映画を予測してもらいながら、おすすめ作品を挙げてもらった。

「もちろん、動物パニック映画のトップはサメ映画だと思います。しかし、ネタとして盛り上がった『シャークネード』のような突飛な作品はいったん落ち着き、『ディープ・ブルー』(1999年)や『海底47m』(2017年)のようなシリアスなものにフォーカスが当たるのではないかなと。そんな中、サメに次いで盛り上がっているのが、ワニ映画だと考えていますね。そして、以前から盛り上がっているヘビ映画も無視できません。それから、サメやワニのように、ある特定の動物をジャンル化するのではなく、これまで映画に出てこなかったユニークな動物を主題にした映画が出てくるんじゃないかと思っています」

ジャンル映画の評価は、個人の好みが強く反映されるため、レビューなどを読んでも、好みの作品に行き届かないことも多い。人間食べ食べカエルさんは、どのような基準で作品を選び、どんな映画を評価するのだろうか?

「作品選びは、気になった作品のトレーラーや予告動画も観ますが、レンタル店で借りて観ることが多いため、DVDジャケットを頼りに選ぶことが多いですね。動物やモンスターがわかりやすいほど、つい手にとってしまいがち。作品の評価基準は2つあります。まずは出番の多さ。個人的には、豪快に出まくってほしいタイプです。そして、動物の暴れ方。ろくに動かず、人間が苦しんでいる演技だけする作品は、個人的には残念だなぁと思ってしまいます。理想的なのは『イントゥ・ザ・グリズリー・メイズ』(2015年)という作品。燃え盛る炎の壁を、熊がジャンプして飛び越え、豪快に登場するんです。歌舞伎でいうところの見得を切るみたいな(笑)。インパクトが強く、めちゃくちゃかっこいい暴れ方をされると、さらに加点評価してしまいますね」

1作目『キラーカブトガニ』

「今最も気になっているのが、2023年の1月公開の『キラーカブトガニ』。数ある動物パニック映画の中で、初めてカブトガニが主題になった作品です。例えば、これまで『エイリアン』に出てくる、人間の顔にくっついて卵を産むフェイスハガーのモチーフの中にカブトガニが入っていた程度で、そのものが人を襲う作品は、おそらく初めて。トレーラーを見る限り、CGも使いながら、主にアニマトリックスで造形物を作って撮影されているため、実在感がしっかりあるんです。

リアルなカブトガニが襲ってくるのに加えて、トレーラーでは人間大まで巨大化し、2足歩行のカブトガニが人を襲って、食べているシーンも。そんなモンスターも出てきている時点でかなりぜいたくですが、どうやらほかにも隠し球も出そうな気が……。いきなり特盛感の強い作品。長編デビュー作となるピアース・ぺロルゼイマー監督の気合を感じました」

2作目『クロール-凶暴領域-』

「サメ映画の次に来るものを考えたとき、同レベルのブームが来るか、次々に変な映画が次々と作られるか。ひとつのジャンルとして盛り上がるか否か。改めて、サメ映画を検証して遡ると、やはり傑作『ジョーズ』まで遡ってしまいました。映画としても傑作なのは言うまでもなく、空前の大ヒットを記録。いまだにサメ映画の王道。『ジョーズ』があったからこそ、フォロワーやパロディが大量に生まれたと思うんです。そう考えた中で、やはり見た目の怖さや凶暴性を鑑みると、ワニには、サメに負けず劣らず高いポテンシャルがある。もちろん、『アリゲーター』(1980年)から『U.M.Aレイク・プラシッド』(1999年)まで、ワニ映画はたくさんありましたが、『ジョーズ』には及ばなかった。サメに1番手を譲り、2番手以降に位置していたのも事実。

しかし、2019年にアレクサンドル・アジャ監督が製作した『クロール-凶暴領域-』は、ハリウッドでふんだんな製作費をかけ、スタッフも一流、セットも素晴らしい。そして映画として、本当におもしろい作品でした。『ジョーズ』ほどのヒットは記録していませんが、ワニ映画の王道になる作品だと思っています。もちろん、ド派手なワニの見せ場もフルスロットルである。ワニ対人間の熱い戦いもあります。シリアスな動物パニック映画のおもしろさを、改めて認識しました」

3作目『シン・クロコダイル』

「近年の動物パニック映画の話をする上で、避けては通れないのが中国の作品。世界で一番動物パニックを作っているのは、おそらく中国です。サメ映画に関しては把握する限り、年間10本以上作られていると思います。最初はチープなCGなどで見ていられなかったのですが、超多作なため、急速にクオリティが上がってきています。『シン・クロコダイル』は奇をてらわず、『クロール』をまじめにトレースしているというか(笑)。中国の街中でワニが大暴れします。これがただのワニではなく、300人くらいの人間を襲ったという、コンゴに実在した伝説の巨大ワニ、ギュスターヴ(ナイルワニ)が、中国の街の中に逃げたという、とんでもない設定になっております(笑)。クライマックスで、いったん捕獲されたギュスターヴが再び解き放たれてしまう。人だかりのど真ん中をワニが闊歩し、人間が逃げ回るという見せ場があるんですが、そのシチュエーションにグッときました。テンポよく、どんどん人を食っていくという、その食欲が圧巻。本家『クロール』に匹敵するほどの恐怖があります」

4作目『CROC!』

「今年公開されたばかりの、イギリスのワニ映画。日本では残念ながら、今のところ公開の予定はありません。大量のワニが結婚式場に現れるという、変わったシチュエーションで魅せる映画ですね。親族や友人知人が集まる、華やか極まりない場所が地獄絵図と化す、素晴らしい作品。低予算なのかCGなどチープではありますが、ありえない状況でワニが人を食いまくるという状況が好みなんです。もちろん傑作とは呼べませんが、個人的には悪くないと思いました」

5作目『メガ・バイソン 人間捕獲』

「これも中国の作品です。サメに次いで数多く製作されているヘビ映画シリーズの一本。中国の動物パニック作の特徴ですが、主役になる動物をひとつ置き、そのほかにも数種類の動物が出てくるパターンが多いんですよ。この作品にも、空を飛ぶピラニアや毒を持った巨大ガエル、根っこで人を捕らえて捕食する植物、大量の虫など。特盛系の楽しい作品です。しかし主役はあくまでも巨大ヘビ。ジャンプする巨大な毒ガエルを、空中で巨大ヘビが食らいつくシーンなど、素晴らしい見せ場もあります。ヘビのポテンシャルの高さを、久しぶりにちゃんと出している作品だと思いました。先ほどはワニを随分押しましたけど、ヘビもまだまだ侮れません」