〈パネライ〉が、『ウォッチズアンド ワンダーズ 2024』で披露した新作は、ヨットレース『アメリカズカップ』に挑戦する〈ルナ・ロッサ プラダ ピレリ セーリング チーム〉とのコラボモデルだ。そのいずれもが、屈強なダイバーズウォッチ「サブマーシブル」をベースとしている。
その理由を、製品を統括するアレッサンドロ・フィカレリは、「参戦する選手は、万が一の事故に備えて潜水の練習もします。そんな選手たちのために作ったモデルですから、ダイバーズウォッチである必要があるのです」と、説明してくれた。チタン系素材を主力としたのは「軽くて耐蝕性に優れ、頑強でもあり、過酷なレースを戦うには最適」だから。
さらにプラズマ電解酸化処理によりチタンの表面にセラミック質層を形成した「Ti-Ceramitech™」を、コラボモデルのために開発した。「同様の素材は他社にもありますが、ブルーを実現したのは、〈パネライ〉が初めてです。大海原をイメージさせる深いブルーは、私のお気に入りです」
イタリア海軍専属のウォッチメーカーだった〈パネライ〉は、民生向けに転身してからも、軍用として作られたケースのフォルムとダイヤルデザインを、かたくななまでに守り続けてきた。
「その方針は、今後も変わりません。見た目を大きく変えられないから、ファンに新鮮な驚きを届けるためには、独自素材の開発が重要な鍵を握ります。スイスの工房の素材専門ラボでは、来年に向けての開発が進行中です。どうぞご期待ください」