屋外で茶を楽しむ。
すなわち、茶と戯れる“心”を楽しむ。
アルミ製の弁当箱の中には、茶巾、茶筅、茶杓と抹茶。布に包んだ碗が2つと魔法瓶の中には湯。
「昔からこの野点(のだて)セットをいつも持ち歩いていて、行く先々で名刺代わりにお茶を点てて振る舞っていました。特に外国では、とても喜ばれるんです」
和菓子職人の稲葉基大さんのバッグの中には、この野点セットが入っていて、いつでもどこでも茶を点てる準備ができている。野点とは屋外で抹茶を楽しむ茶会のことをいうが、これだけの道具で楽しめるなんて、あれ?屋外でコーヒーを淹れるより簡単では⁉
「茶会と聞くと堅苦しいものを想像しがちだけど、“ごっこ”でいいと思うんです。今回合わせた茶菓子も、どこでも簡単に作れる一品。屋外でも作れるので“旅するひよこ”と命名。お茶を楽しむって、要は遊び心ですよね」
旅するひよこ
材料(2人分)
上新粉50g、砂糖50g、ジュース60g*今回はオレンジジュースを使用、片栗粉適量
作り方
①上新粉と砂糖をボウルに入れてよく混ぜ、ジュースを加えてさらによく混ぜて生地を作る。
②ザルの上に布を敷き、とろっとした生地を流し込んで蒸し器に入れて10分ほど蒸す。
③蒸し上がった生地を火から下ろし、濡れ布巾でよくこねる。
④生地を12等分して丸め、片栗粉をまぶす。
⑤指で頭をつまみ出し、尻尾をつまみ、くちばしをつまんで完成。