仲間とわいわい囲める鍋料理。
〆はリゾットでスープも残さず!
週に1度の休日は、よほどの悪天候でない限り必ず山に出かけるという〈セキハナレ〉の川久保賢志さん。「近頃は蓼科山や瑞牆山など日本百名山に数えられる2000m級を狙うことが多いですね」と、話すのを聞けば、どんな年季の入った山好きかと思うが、実は登山歴はまだ1年。
「凝り性なんです。中身だけでなくスタイルも大事(笑)。山岳記を読んだり、ウェアやギアをあれこれ揃えたりするのも楽しくて」
料理人ゆえ、山メシにも妥協はない。
「特に仲間と行くとなると、何を作ろうかとあれこれ考えてしまう。山頂で鍋、なんてのもなかなか楽しいですよ」
最小限の道具で、短時間でいかにおいしいものを作るかが、川久保流“山鍋”の極意。ゆえに自宅での仕込みは不可欠だ。今回作ってくれた「鶏肉と季節野菜の鍋」なら、野菜はあらかじめ切っておき、肉も湯引きしておく。
「肉は火が通るのに時間がかかるので。灰汁も出にくくなり一石二鳥です」
ゴミを極力減らしたいから、鍋の後のスープはリゾットにするのだとか。硬めに炊いた米を冷凍しておけば、登る間に自然解凍されるというわけだ。炒め物や卵料理には「具材と調味料を兼ねるキムチが重宝します」と、ニラとキムチの卵とじもささっと作ってくれた。さすが酒場の主、トマトだしが効いた洋風鍋もピリ辛卵とじも酒を呼ぶ味だな……と思っていたら、川久保さんのリュックから日本ワインが!山頂で鍋を囲んで乾杯、となりました。
鶏肉と季節野菜の鍋と〆のリゾット
材料(2人分)
鶏モモ肉300g、グリーンアスパラ(太めのもの)3本、トマト4個、固形コンソメ(市販のもの)1個(約5g)、水500㏄、ご飯300g、パルメザンチーズ(粉末)1カップ、粗挽き黒コショウ大さじ1、塩適量
仕込み
①鶏モモ肉は、塩を振って約15分置き、湯引きして水気を切る。
②アスパラは根元から3~4㎝のところまで皮を剥き、縦半分に切ったものを薄切りにする。
③トマトは湯剥きし、1/2に切る。
④米を硬めに炊いて冷凍しておく。
作り方
①鍋に水と固形コンソメを入れて火をつけ、沸騰してきたら鶏モモ肉とトマトを入れる。灰汁が出るようなら取り除く。
②アスパラを加え、火が通ったら完成。
③リゾットにするには、鍋を食べた後に残ったスープにご飯を入れて一度沸騰させ、パルメザンチーズを入れて全体をよく混ぜ、火を止めて粗挽き黒コショウをかける。
ニラとキムチの卵とじ
材料(2人分)
卵2個、ニラ1/2束、キムチ50g、ゴマ油適量
仕込み
ニラを食べやすい大きさ(3~4㎝程度)に切る。
作り方
①小さめの鍋にゴマ油を引いて熱し、ニラを炒める。
②ニラがしんなりしたら卵を割り入れ、かき混ぜながら火を入れる。
③キムチを加え味を調えたら完成。