哀愁と優しさの音でリセットする。
制作作業など、仕事している時はずっと気を張っています。だから、作業後や休息時には、普段のモードにしてくれる、緊張をほぐしてくれるようなアルバムを部屋で流しっ放しにしているんです。昔から聴き続けているような作品、自分の中の定番の音楽家の作品が多いかもしれません。
ゆったりして、ただ心地よい作品もいいのですが、プラス適度な暗さ、影や哀愁もある楽曲が好きなんです。例えば、70年代からダークでアグレッシブな音楽性で活動するニック・ケイヴ。2000年以降の作品は、ピアノが主体の静かな楽曲が増えました。毒気も含みつつ、熟成し、優しく穏やかに、沁み入るような哀愁のある音楽は、緊張した心を解きほぐしてくれます。
また、最近は老成したような楽曲性とセンスがある若いバンドやミュージシャンも増えてきていますね。RHYEなど、まだ若いと思いますが、最初に聴いた時は驚きました。今後も長い付き合いになるかもしれません。