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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:ダメダメ父の押しかけ

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom from Smappa!Groupのエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第250回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。前回の「何をツルツルにするか」も読む。

illustration: sigo_kun / edit: Asuka Ochi

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末期がんの父が相談もなく実家を引き払い、家にやってきてリビングのソファを占領しています。もう長くないし……と最初は諦めていたのですが、せっかく子供を否定しない教育をしていたのに、4歳の子にダメダメ言い散らかしてストレスでなりません。無碍(むげ)にはできませんが、意外と元気だしどうしたらいいでしょうか?
(主婦/28歳/女)

死後くんのイラスト

箭内道彦

「意外と元気」は何よりです。あなたがお父様に「子供にダメダメって言っちゃダメ」ってちゃんと話すことも、必要なプロセス、大切な流れの一つなのではないかとも思います。もしかしたらお父様もそんな普通のやりとりを待っているのかもしれません。きっとあなたと一緒にいたくて、みんなといろいろ話したくて、やってきたんじゃないですかね。それが生きる力になって。それと、4歳の子供も大人が思う以上にもうあれこれわかっています。お子さんともきちんと話してみてはどうでしょう。

エリイ

一緒の家に自分の考え方と違う人がいると、気になっちゃってもう止まらないですよね、仕草や動向が。しかし、死ぬと分かっているからこそ、娘と一緒にいたいから行動してきたわけだし、孫にも言っちゃうのは死んだら言えないから。意外と元気なうちにリビングのソファではない所に移動してもらいつつ、ダメダメは言わない方針だから違う言葉を使ってほしいとやんわりと話し合ってみたらいいと思う。お父さんも初めての体験の死について不安からくる行為かもしれないし、死んだ後から逆算して行動してみたらどうだろう。

大根 仁

残酷かもしれませんが、未来の長さで比較してみては。老い先短いお父様とあなたと夫さん(時代性を意識した呼称です)を比べてみるのです。しかし、こういう話を聞くとつい「老害」なんて言葉が浮かんでしまいますが、人口グラフでは僕も老害サイドなので、意見が対立したら、未来が長い方に有益になるよう、言われずとも身を引くべきと思います。昨日観た映画『イコライザー』の3はリタイアした人間のお手本のような話でした。“未来は僕らの手の中”の時期はとうに過ぎてしまったと自覚して生きていこうと思います。

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