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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:怒れない。怒るべき?

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom from Smappa!Groupのエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第247回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。前回の「ペットを失ったら、どうしよう」も読む。

illustration: sigo_kun / edit: Asuka Ochi

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怒りはありますが、怒れないのが悩みです。上司に理不尽なことを言われても、後輩の致命的なミスも、怒っても仕方がないと思って自分のなかで片づけてしまいます。最近、後輩も増えて、特に部下に対しては、怒るべき時には怒った方がいいのかなと思いつつもこれがなかなか難しい。ぜひアドバイスをお願いします。
(会社員/28歳/男)

死後くんのイラスト

箭内道彦

怒るにはエネルギーが要ります。ちゃんと怒ることで社会や相手を変革しようとする意気も要る。さらに、怒った自分に残る後味・嫌悪感とも向き合わなくちゃならない。僕らつい面倒になって逃げちゃいますよね。怒る人は冷たい人で、怒らない人は優しい人、実際は逆が多い。怒る人は優しい、怒らない人は冷たい。書いてて耳が痛いです。自分は怒られるのも苦手ですね。褒められて伸びるタイプです。怒られて伸びる方々の強さに憧れというか敬意と諦念を抱き続けながら今日まで生きてきました。

エリイ

怒りと怒るは違うんですよね。何で怒れないんでしょうか?私の場合は身体が小さいのでその場で怒ると身体的に何かされた場合に大変なので怒らない時もありますがその後、徹底的にやります。度合いにもよりますが部下のミスなどはわざとじゃなかったりして怒っても仕方ない時はありそう。私の最近の怒りは有名なベビーシッターサービスの会社で、非常事態が起きた場合も電話番号の記載が無くメールでの連絡、折り返しも非通知ということから始まっています。文字数が足りないのでいつでも取材待ってます。

大根 仁

子供の頃から散々怒られてきた僕ですが、今の業界に入ってからも、30代くらいまではずっと怒られてました。でも。ある時気づいたのです。ああ、この人も怒りたくて怒っている訳ではなく、仕事の一環として怒っているのだなと。そうなると、怒っている方も怒られる方も、もはやプレーです。我ながら怒られプレーはうまかったと思います。相手の目をじっと見て、絶対に逸らさない。返事は細かくはっきりと。5分もすりゃプレーも終了です。上手に怒れるようになって、良き怒られパートナーを見つけられるといいですね。

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