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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:偽りの充実感

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom from Smappa!Group(チンポムフロムスマッパ!グループ)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第220回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。前回の「仕事と友情、どうしたら?」も読む。

illustration: sigo_kun / edit: Asuka Ochi

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彼女が常に忙しくしたがるというか、スケジュールを埋めるために生きているみたいで理解できません。適当なご飯会で時間を埋めて、あとで悪口を言ったりするのってなんなんですかね。嫌なら行かなきゃいいのに、インスタで仲良しぶるのも気持ち悪い。彼女を嫌いになりそうで不安ですが、みなさんはどう思いますか?(会社員/26歳/男)

「おなやみ相談室」:偽りの充実感_イラスト

箭内道彦 

「君と僕の違うところを尊敬し合いたい 僕と君の同じところを大切にしていたい」。これは僕とキヨサクとMummy-Dと亀田誠治によるTHE HUMAN BEATSが10年前に出した「Two Shot」という曲の歌詞です。違う2人が一緒に生きてくことは、難しくて素晴らしいこと。とはいえ20代の恋は、自分と相手の相違部分に折り合いを付けることがまだままならない。必要以上にまぶしく見えたり、不安に感じてしまったり。布施明さんの名曲「積木の部屋」を思い出しました。検索してみてください。2人の愛が続きますように。

エリイ

偽りは続けていけば、その偽りが真実になってくる。悪口を言いつつも仲良しぶるなかに、偽りが含んだストーリーが確立されていくんじゃん。相手のことを嫌いになったっていいじゃん。それの何が不安なの?自分が不安になったっていいじゃん。どう思うかって?はっきり言ってどうでもいいよね。偽りの充実感って言ってるけど、その中に充実感は無くて、悪口をいうなかに充実感があるわけで。やり切ればいいんじゃん。悪口を言うバイブスの路線上に生きていくって話。とにかく暑いですね。暑さにやられずに乗り切ろ。

大根 仁

一緒に長い時間を過ごす絶対条件の一つに“時間のスピード感”があると思うのです。会話のテンポとか、食事の進め方とか、暇の過ごし方とか。でもそれって互いに合っていればいいかというとそうでもないんすよね。山下達郎氏のキャリアを支えたドラム青山純さんとベース伊藤広規さんの名演奏には、楽曲によっては絶妙なズレがあるのですが、男女間の関係性もズレによってグルーヴが生まれる。ピッタリ合ってるって正しいけど、面白くはないすよね。嫌いなところがあるから、好きなところが際立つんじゃないすかね。

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