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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:息子の浪人

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom(チンポム)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第202回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。前回の「隣人からのプレッシャー」も読む。

Illustration: sigo_kun / Edit: Asuka Ochi

『ドラゴン桜』が大好きで東大に憧れている息子が、理科三類合格を目指して、すでに3浪しています。来年受からなければ諦めなさいと伝えたものの、親として、どうしても東大に行きたい子供を応援したい気持ちとの狭間で揺れています。将来、長い浪人生活の後悔をしてほしくはない。みなさんならどうしますか?
(自営業/52歳/男)

おなやみ相談

箭内道彦

応援してあげてください。僕も3浪しました。東京藝大デザイン科にどうしても教わりたい教授がいて。その方は僕の合格と入れ違いに退任してしまいましたが。当時の倍率は50倍。3浪の年に「ってことは、あと47年受け続けたら1回は受かるってことか」と気づいて楽になりました。「才能ないんだからやめちゃえよ」と周囲の大人たちに言われ、絶対やめないと決意できました。就職後は最年長の新人。弟より年下の同期に囲まれて。大丈夫。3年早く社会に出た人になんて、早晩追いつくもの。体にだけは気をつけて。

エリイ

コロナで今までの大学の形態は変わってきてるんじゃないですか? 私も一浪して行きたい大学の学科に受かりました。そこ以外は行きたくなかったのですが、もし落ちてたら二浪に耐えられたかどうかわかりません&本命以外は全滅で落ちたのでどうなっていたかもわかりません。大学は今の私と関係ないような気もするしわからない。かなり珍しがられますが、大学の合格通知を電話で聞いた時は人生で三本の指に入るほど嬉しかったです。自分で成し遂げたんだって。もっとまともに授業を聞いてれば良かった。人生一度きり。

大根 仁 

浪人経験はおろか、大学にすら行っていない僕が理系最難関の東大理Ⅲを目指す若者の気持ちなどわかるはずもありませんが、ドラマ『ドラゴン桜』の脚本を書いていたオークラは知り合いです。芸人だった彼は同期のバナナマンやおぎやはぎと出会い、圧倒的な才能に衝撃を受けて芸人の道を諦めて放送作家〜脚本家になりました。おそらくその諦めは正しかったはずです。東大に行かねば歩めない人生の道もあるかもしれませんが、逸れたはずの横道が正解の道だった、という方が個人的には人生の豊潤を感じます。なんちゃって。