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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:仕事を断れない

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom(チンポム)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第187回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。前回の「反抗期の暴言がつらい」も読む。

Illustration: sigo_kun / Edit: Asuka Ochi

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「ノー」が言えず、ついついやりたくない仕事を引き受けてしまいます。そろそろいい年齢なので、若手がやるような作家性のない細かい仕事は断っていかないと、という思いがあるのですが、まだそこまでいい仕事も来ないし、生活のことも考えてつい引き受けてしまう。このループをどう抜け出せばいいでしょうか?
(カメラマン/38歳/男)

仕事を断れない

箭内道彦

来る仕事すべてを引き受けていた時期が自分にもありました。断る理由を考える手間に時間を費やすより、やってしまった方が早い、とか。一度断った相手からはもう二度と声がかからなくなるんじゃないか、とか。でもわかったこともあります。「若手がやるような細かい仕事」も「生活のことを考えてつい引き受けた、いい仕事じゃない仕事」も、自分が出す結果で「面白い仕事」になる可能性が決してゼロではないんだということ。38歳カメラマン、まさになんでもかんでもやったらいい時ですよ。

エリイ

本気でやりたければ、生活が多少つらい時期が続いても時間をとってやり遂げるしか無いでしょう。最近、時間が過ぎるの早すぎませんか?どうやら地球で過ごしている人間の時間は現代社会化によりどんどん進んでいるようです。あなたがやりたくない事は誰かがやりたい事かもしれない。もう気づいてるはず。ここら辺で勇気を持って次に進まないとずーっと停滞したまま死にます。それでもやらないのなら本気でやりたい事ではないのでしょう。真の作家性があれば嫌でも身体が動いちゃうのが才能なんじゃないでしょうか。

大根 仁

ちょっとキツいこと言いますよ。「まだそこまでいい仕事も来ない」理由は、他人があなたの言うところの「作家性」を感じていないからです。僕は自分で作家性があるタイプのディレクターだとは思っていませんし、“オファーされた仕事=今のテメエの実力”だと思います。ドブ板仕事もたくさんやってきました。でもそれに手を抜かずに少しでも光るものがあれば必ず気づく人がいます。これ嘘じゃありません。必ず、なんです。自分の才能はないけど、他人の才能には超敏感な僕が言うのだから間違いありません。必ず、です。

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