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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:SNSでの振る舞い

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom(チンポム)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第171回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。前回の「このまま結婚していいの?」も読む。

Illustration: sigo_kun / Edit: Asuka Ochi

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Twitterには、あれはマナー的にアウトとか、これはこうすべきとか、プチ有名人気取りで一言言いたいヤツ、それに反論したいヤツが多すぎませんか。まるで負の掃き溜めのようで、これが一つの社会の縮図かと思うと吐き気がして、僕は沈黙しがちです。発言力のあるみなさんが、SNSで気をつけていることはありますか?
(IT系/34歳/男)

SNSでの振る舞い

箭内道彦

自分の中に棲む厄介な感情の中で、一番面倒くさいのが「気に食わない」という黒い感情。うっかり表出させて良いことが起きたためしがない。これを自分で飼い馴らしてコントロールできたらどんなにいいだろうなと思います。人々は長い間、いろんなことを隠して曖昧にして生きてきました。それでいろんなことをなんとか切り抜け続けてもきた。言わないことが悪いこととは限らない。僕らは裸になりすぎたのかもしれません。一方で「黙ってる人は実は何も考えてない人だよね」って、昔ある人が言ってたのを思い出したり。

エリイ

なんだろうな。それこそツイッターで見かけた「人間の本性が出る場面は2つある。困難に直面した時と、正義が自分側にある時の言動だ」って感じ?私はタダでやってるしタダでやりたいしタダの発言。日記のような記録的なもの。メモ機能として何年の何処かが分かるから文章の仕事に役に立つ。ギャラリーでトークイベントやったりして、先着百人が秒速で埋まったりしても検索すると一件も出てこない時とか情報は面白い。どこで知って何を思うのか、書かない層が存在するんだなあ、と。SNSのみならず行動をしたい。

大根 仁

ある時期を境にSNSで仕事の告知や、どうでもいいこと以外は発信しないようになりました。キッカケはぼんやりとですが「シャレが通じなくなってきたな」と感じたからです。僕はこの世で一番大事なのはユーモア、すなわちシャレだと思っています。ビートたけしの洗礼を受けた僕の世代は「今、考え得る最低最悪のジョーク」も寛容に受け入れ、そのジョークに対してさらなる最低最悪のジョークで答えることがカッコ良いのです。「シャレだよ、シャレ」これが通じない世界なんて、それこそシャレになりませんがな。

TUMIのバッグと黒川隆介

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暮らす / PR

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