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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:素敵に暮らせない

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom(チンポム)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第165回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。
前回の「海外からのゲスト」も読む。

Illustration: sigo_kun / Edit: Asuka Ochi

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誰かのために凝った料理をするのは大好きですが、普段は独り身で、ゆでた蕎麦にネギすら切るのも面倒です。恥ずかしながら休日は一日中部屋着で、チンしたイモにバターを塗って夕食にするような暮らし。自分一人だとモチベーションも湧きません。素敵に暮らしたい気持ちを手に入れるにはどうしたらいいでしょう。
(派遣事務/49歳/女)

素敵に暮らせない

箭内道彦

ほとんどの人が休日は一日部屋着だと思うし、イモにバターを塗るような豪華なものすら食べていない人だってたくさんいると思いますよ。僕、今日は休日でもないのに一日中部屋着です。おそらく、理想の素敵な暮らしができている人なんて、全世界の6%ほどではないでしょうか。そうしたい気持ちを湧かせるのは、きっとブルータスのような雑誌の功罪なんでしょうね。大抵の人には、疲れを取るためのオンオフが必要。誰かのために凝った料理を作る時のあなたの集中力と創造力は、たぶんとてつもないはず。お疲れさまです。

エリイ

その気持ち、めっちゃ分かる。なんなら私もトータル100億時間を超えるほど思っていることである。モチベーションは金を払ってでも買いたいが手に入らない。唯一の方法はきっとドラッグなんだと思う。違法じゃないヤル気がでるドラッグを探して試して見つけるしかない、という程難しい。因みに私は芋にバターでもいいとはっきりと考えているし、部屋にいる時は勿論部屋にいるんだから部屋着です。問題は視界です。視界を気分良く過ごすために引っ越してあんまり物を置かないようにしたら随分と気分は良くなりました。

大根 仁

蕎麦をゆでたり、チンしたイモにバター、十分凝ってるじゃないすか。コンビニに行けば、そこらのお店よりも手間暇が感じられる料理が溢れるこの時代に立派なもんです。僕も基本的には面倒くさがりですが、食に関しては一手間かけずにはいられない。最近のヒットはツナ缶とコーンにマヨネーズを和えて、醤油とゴマ油を1〜2滴。それを韓国海苔で巻くと、酒のツマミとしてもオカズとしてもバッチリです。これ漫画『3月のライオン』に出てたレシピなんですが、最新15巻ではついに零君がひなちゃんに告白しました!

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