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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:今年こそ!

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom(チンポム)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第162回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。
前回の「致命的なミス」も読む。

Illustration: sigo_kun / Edit: Asuka Ochi

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今年こそ、と思い続けて、何年もできないことってありませんか?例えば、私にとって一つはパートナーが欲しい、がそれです。職場にも文句しかなくて数年。思い切って転職もしたいです。なのに毎年いろいろもやもやした後、行動力がなくていつも変われずにいるのです。こんな私に何かアドバイスをください。
(派遣事務/43歳/女)

今年こそ!

箭内道彦

人それぞれではありますが、何か目標を立てることは、そこに辿り着けなかった自分を、後に自覚させられることでもあります。今年で何年と指折り数えることで、失った年を自分で自分に刻んでしまう。僕は前々から苦手です。以前、正月のテレビに出た際に「今年の抱負」を問われ、「特になし」とフリップに書きました。逆にワクワクしたのを覚えています。転機は、たぶんある日突然来ます。「今年こそ」と目標を立てることで、 既に半分手に入れた感覚になり、リアリティを奪われてしまう。気をつけてください。

エリイ

分かる、としか言いようがないね。一年の計は元旦にあり、とか誓いっぽいことを意気込んでみながら雑煮を食べてだらつき、七草粥の頃にはなんて美味いんだもっと食べたい、あと焼肉と寿司しか思わなくなり3月位に何かのきっかけで気付いてしまい、明日からやろうって思うけど次の日にはすっかり忘れて以後一度も思い出すこともない、を繰り返して早十数年。一度も達成しない「今年こそ」は足枷にしかならないことはとっくに知っているわけで、そういうヤル気が一瞬出た時の気持ちはマヤカシだと認識してやり過ごそう。

大根 仁

昨年正月に「今年こそ!」と思って書くつもりだった脚本。その時点で既に締め切りを半年過ぎていたにもかかわらず、書き始めてからも全くエンジンがかからず、あれやこれやに追われて、気づけば10月。「年内中には!」と再び書き始めたものの、エンジンどころかキーそのものをなくしてしまったかのように書けず……。いいかげんクビになっても文句は言えない状態になったが、プロデューサー氏からは「大根さんが納得のいく脚本を待ちます」と連絡があり、年が明けてしまい現在「今年こそ!」な僕がここにいます……。

アーティストのnina

“身体性”を題材に多彩な表現へ挑むninaが着る〈TOKYO DESIGN STUDIO New Balance〉

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