箭内道彦
歯医者が好きな人っていないですよね。実家が菓子屋だった僕は、中学の時に虫歯だらけでしたが、怖くて歯医者に行かなかった。医療技術が向上し無痛治療の時代がやがて訪れるのを待つことにしたんです。20年が経ち、そろそろかと意を決して歯医者に行きました。そこで正直にすべてを打ち明けたら、一緒に頑張りましょうと先生が励ましてくれて、涙が出ました。痛さだけでなく、口の中を見られるのが裸を見られるより恥ずかしかったり、歯の磨き方や虫歯の放置を厳しく指導されたり、様々な怖さが歯医者にはありますね。
エリイ
私もいま奥歯痛い。でも歯医者行かない。信用出来ないんだよね。歯って一生ものじゃん、大切にしたい。削ったらなくなっちゃうじゃん、腕が悪い歯医者に当たったら取り返しつかなくなる。私は祖父も叔父も歯医者で、従兄弟も歯医者。子供の時から親族以外の歯医者行ったことなかったから街中の歯医者に飛び入りで行けない。いま信用してるのは高校の先輩。日本で一番上手いと確信。しかし沖縄に移住して遠い。歯を大切にするなら歯医者には行った方がいい。矛盾。あと私はホワイトニングはしない。歯とともに生きる。
大根 仁
僕も今、治療と矯正で通院していますが、通うキッカケになったのは〈おおね歯科〉という、自分と同じ苗字の看板を見かけたことでした。僕の苗字は全国で1000人くらいしかいない珍名なので親近感が湧いたのです。「珍しい苗字ですね」。40歳くらいの院長先生は爽やかナイスガイ。「先生も一緒じゃないですか」「ああ、僕は少し違うんですよ」と差し出された名刺には「大祢」と。「普通読めないから院名は平仮名にしてるんです」。大根じゃないんかい!ちなみに大祢先生、素晴らしい腕前で痛みを感じさせません。
宇宙の美を投影する、青漆のダイヤル。「カンパノラ」の新作時計、“宙鏡”