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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:旦那の敬語にイラつく

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom(チンポム)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第156回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。
前回の「トイレに籠もる夫」も読む。

Illustration: sigo_kun / Edit: Asuka Ochi

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旦那が会社を辞めて2人で実家の中華屋を継ぐことになりました。最初は夫婦二人三脚で意欲的だったのですが、半年経って最近「ここ片づけてもらえますか」とか、なぜか敬語で指示してきてイラッとするんです。旦那のがたぶんイラついてるんでしょうけど耐えるしかないでしょうか。うまくやるにはどうしたら?
(飲食店/46歳/女)

旦那の敬語にイラつく

箭内道彦

僕が大好きなカウンターのカレー屋の夫婦も、喧嘩や言い合いをしていつも店内の空気がピリついています。でも、それはもう、僕ら客にとってのスパイスのように、もはやカレーのおいしさとセットになっている。僕も小売店をやっていた両親を見て、夫婦が四六時中同じ職場で働くって本当に難しいことだと実感しています。だから敬語がどうあれ、その苛々はお察ししますが、それもお客さんに対する一つの演出でもあり、味わいの一部です。夫婦仲の悪いお店って、僕はなぜか好きなので、ぜひ食べに行ってみたいですね。

エリイ

最早どんな口調でもイラつくでしょう。何をしてもイラつくゾーンに入ったのです。商売という儲けに波がある中で他人同士がずっと一緒にいるわけですからよっぽど変人じゃない限り、まともな人間ならそうなるわけです。根本の改革はどちらかの死のみです。私の応急処置でいうと、夫はいびきがうるさく自覚がない上に呑気に寝ているのですが、横で怖い怪談を読んだり動画を観ます。これはよっぽど怖くないと駄目です。探すのも一苦労ですが、怖さに当たればしめたもの。横のいびきも居ないよりマシです。お互い乗り越えましょう。

大根 仁

白金高輪にある〈大宝〉は東京で一番旨い炒飯を出す老舗中華。僕はパラパラ炒飯に思い入れもなく、かと言ってベチャベチャ好きでもない。大宝の炒飯はその真ん中、とにかく旨い!愛想の良い奥さんの接客と、寡黙なご主人のフライパンさばきのバランスも絶妙。実はご主人、奥様の実家を継いだ2代目で以前は銀座の有名フレンチのシェフだったそうです。先代が亡くなり、フレンチの道を捨て、街中華の道を選んだご主人と奥様にどんな物語があったのか?日本一の炒飯を味わいがてら、一度足を運んでみては?

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