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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:初めての漫画

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom(チンポム)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第153回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。
前回の「元彼が楽しそうでつらい」も読む。

Illustration: sigo_kun / Edit: Asuka Ochi

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6歳の息子が漫画を買ってほしいと言いだしたのですが、初めての本格的な漫画として何を買い与えるか、将来を左右しそうで迷っています。どうやら子供向けじゃないのが欲しいみたいで。『ワンピース』か『こち亀』か『火の鳥』か?いや、『はだしのゲン』とかの方が……?みなさんなら何を選びますか?
(飲食店経営/46歳/男)

初めての漫画

箭内道彦

漫画には人生の知恵もヒントも哲学も全部ある。ベストがいくつもあるから難しい。選択から逃げるなら候補の漫画をすべて買い与えるしかなくなる。自分は『あばしり一家』や『もーれつア太郎』の世代、それを親にはねだれませんでした。初めてこづかいで買ったのは小学1年生の時、「鼻血ブー」「アサー」の谷岡ヤスジ先生。町内会の遠足で回し読みしてたら近所のおばさんに没収された記憶があります。子供は買ってもらえない漫画をいかにどこで読んでくるかみたいなところで成長していくんじゃないかとも思われます。

エリイ

初めて読んだ漫画は人生や人格の基盤となった気が私はしますね。私は従兄弟が持ってた『ぼのぼの』と『シニカル・ヒステリー・アワー』が最初の漫画で、時を同じくして初のサンタのプレゼントは『ちびまる子ちゃん』でした。7歳から18歳までジャンプを読み続けました。初『はだしのゲン』いいですね。ちなみにうちのメンバーのリーダーの初漫画は『カムイ伝』でした。大人になれば読みたい漫画は自分で読めるしね。ここは、いがらしみきお先生の『かむろば村へ』にしましょう。人間の多様性を培って生きて行けます。

大根 仁

『ワンピース』はともかく古典すぎるわー。特に『はだしのゲン』なんてトラウマ必至ですよ。こういうのって、親の価値観を押し付けがちになりますよね。僕の人格形成の80%は漫画でできていますが、買い与えてもらったものは一冊もありません。漫画だけでなく音楽や映画など教養ではない“センス”の部分は自分で切り拓いていく方が後々のためになるのではないでしょうか? 僕が7歳で初めて買ったのは『あしたのジョー』8巻。力石が死ぬ巻です。我ながら良いチョイスだったと思いますがトラウマにもなっています。

窓際で作業をする蓮沼執太

窓辺で創作すれば音楽も外に開いていく。音楽家・蓮沼執太が語る窓

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