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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:夫と話にならない

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom(チンポム)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第143回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。
前回の「ラーメンの汁が好き」も読む。

Illustration: sigo_kun / Edit: Asuka Ochi

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引き抜いた料理長を労っていたら、経営者の夫に仲を怪しまれ、勝手に解雇されてしまいました。内緒でお詫びに行ったら、また勘違い。いくら説明しても通じず、仕方なく夫の前で携帯番号を削除しつつ、念のため偽名で登録しておいたらそれがバレて再激怒。何もないのに話にならず困っています。どうしたら?
(飲食店女将/55歳/女)

夫と話にならない

箭内道彦

素敵なドラマですね。なんだかもう、松本清張ばりのサスペンスのシズルが出ちゃってます。55歳の女将さんの行動の一つ一つに色気がある。それを発している時点で夫にとってはもうたまらないんでしょうね、たぶん。そしてめちゃくちゃ愛されているんだと思います。これはね、何もなくないですよ。付き合ってるとか体の関係があるとかでなく、すごく妖艶なにおいを感じてしまう。何でもないというのは何も始まってないという意味で無限だから、最高のエロティシズムです。でもそこがあなたの強い魅力なんだと思います。

エリイ

群像劇ですね。人間らしくていいじゃないですかその話。女将さんも間が悪いというか畳み掛けるように話題を作っていくなんてやるじゃないですか。人生は短いんです、きっと思ってるよりも。だから執着してこだわってしまう。この群像劇も人生で何回出来るかですよ(別にやらなくてもいいけど)。この話の登場人物3人で奏でるハーモニーは織りなして地球に存在する。そして女将さんはまだこの劇を続けようとしてる所も人間のミソですなあ。黄昏流星群的にいうと瓢箪から駒で本当に料理長とデキちゃったりして。てへ。

大根 仁

職業柄こういうドラマみたいな話を聞くとすぐキャスティングしたくなるんですが、「55歳女優」で検索すると賀来千香子さんがヒットしました。となると必然、料理長は布施博、嫉妬心の強いマッドな夫は佐野史郎=冬彦さんで、かつての『ずっとあなたが好きだった』になるわけです。そしてかの名作同様「そもそもなんで冬彦さんと結婚したの?」「何もないの? あるでしょー?」としか言いようがなく、このテの話はドロドロになるほど面白いので、どうか解決などせず、今後の展開を逐一報告してもらいたいです!

左から齋藤精一、服部滋樹。柴田文江、倉本 仁

未完成なものから可能性を見出す。大阪・関西万博から生まれる“共創”のデザイン

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