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箭内道彦、エリイ、大根仁「おなやみ相談室」:ブラックな娘のバイト

クリエイティブディレクターの箭内道彦、Chim↑Pom(チンポム)のエリイ、映画監督の大根仁が読者のお悩みに答える連載の第127回。見事に三者三様な回答をぜひご覧ください。お悩み相談も随時受付中。
前回の「編集者が急に冷たい」も読む。

Illustration: sigo_kun / Edit: Asuka Ochi

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大学2年の娘が自ら好んでブラック的なバイト生活をしています。朝6時に出てカフェの開店準備、その後は大学に行き、夜は居酒屋の店員。帰りは夜の1時になることもしばしばで、朝はまた6時。合宿や遊びでお金が必要な様子ですが「セルフブラック」を親としては戒めるべきなのでしょうか。
(スポーツジャーナリスト・生島淳/51歳/男)

ブラックな娘のバイト

箭内道彦

月々のおこづかいの増額を無心したり、出世払いでの貸し付けをねだったりすることなく、自分に必要なお金を自分で調達しようとする娘さんの自立は、生島さんの子育ての素晴らしい成果でもあるとお見受けしました。働くことにも稼ぐことにもそれを使うことにも、初めての充実を感じている体験の最中なのかもしれませんね。とはいえ、娘さんのバイトの実態は念のため把握しておきたいところ。居酒屋に好きな男子がいるのかもしれません。不完全な変装をしてこっそりお店のお客さんになってる生島さんの姿が浮かびました。

エリイ

いまシチリア島。自ら好んで働くなんてめっちゃ偉いじゃないですか!しかも早朝から(涙)。朝、心の癒しと一日の始まりの合図の気合いの一杯や、ささやかな朝食を必要とする人のさらに前に動いているのがあなたの娘さんです。学校に行った後も働いてるなんて感涙ものじゃないですか。働くことは素晴らしすぎる。しかも性格はあんまり変わるものじゃないので、大学を卒業した後も社会で飛躍する人間になるのが見えてきますね。うちのチンポムスタジオで是非まずはアルバイトしてみませんか、とお伝え願いたいです!

大根 仁

僕は大学進学を諦めた高3の夏、娘さんと同様に朝から夜中までバイトをしていました。朝6時から喫茶店でランチまで、午後から花屋で下働き、夕方から居酒屋で仕込みからそのまま閉店まで皿洗い、翌朝はまた6時から。どこも大した時給ではありませんでしたが、それぞれのバイト先での経験はどんな勉強よりも役立ったし、何よりも勤労の喜びを得ることができました。生島さんが育てられた娘さんならば、大丈夫。豊かな人生経験をしているはずです。「変な男にだけは気をつけろよ」。これだけは戒めておきましょう!

バーカウンターで、酒を注ぐ女性

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