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ミュージシャン・オカモトレイジのウォッチリスト

いつも個性的なものを手にする、あの人の買い物が気になる。掘り甲斐のあるヤフオクを攻めた、ミュージシャン・オカモトレイジ目線の先にあるものとは?特別に覗き見させてもらった。

初出:BRUTUS No.843『忘れられない買い物。』(2017年3月15日発売)

photo: Tomoyo Yamazaki / illustration: Miyu Honda / text: Rui Konno / edit: Kyosuke Nitta

時代錯誤と思われる
くらいのモノが狙い目

高校生の時、「一風変わった見た目に惹かれた」というビザールギターを落札して以来、オカモトレイジは“ギリギリのかっこよさ”を求めてヤフオクを掘るようになった。ここ数年は、“まだ時代が一回りしていない昔のもの”を探し続ける毎日。

落札リストを見せてもらうと、〈DJ ホンダ〉のパーカに岡村靖幸のツアーグッズ、子供の頃に流行った玩具など、いずれも正直キワドイものばかりだ。「盛り上がるとそのノリで落札してしまい、届く頃にはもう冷めていることも多いです」と言うが、その一方でアナログシンセの名機やマニアックなドラムセットなど、自身の楽曲制作やDJに関わるものは熱心にチェックしている。

「落札して、届いたものがダメでも気にしません。ディグしているうちに辿り着く闇市のようなものだと思っていますし、そもそもが人のお下がり。期待しないで、発見があればラッキー。それでいいんです」

ミュージシャン・オカモトレイジ
「お、このシンセ状態いいじゃん。」
Miyu Honda イラスト
「ビザールギターで有名な〈テスコ〉のドラム。もともと広告だけは見たことがあったのですが、知り合いでも誰も現物を見たことがないし、幻の存在で……。ただ、ひたすらそれを検索し続けたら、ある日いきなり出品されていました」
Miyu Honda イラスト
「雑誌で、“Gファンクサウンドのベースになったシンセがこれだ!”という記事を見て、欲しくなった“アープオデッセイ”。本当は“アープソロイスト”という型が良かったのですが、出てこないので復刻版のこっちを購入しました」