レーシングドライバー・小林可夢偉がNOT A HOTELを買った理由

国内外の有名建築家やデザイナーによる建築やインテリア、コンセプトデザイン。年間宿泊日数によって複数の価格帯から選んで所有権を取得できる「シェア購入」や、一つの物件のオーナーになれば全国に展開する他の物件も利用できる「相互利用」の画期的なシステム。滞在を容易にするホテルのようなサービス……。2020年の設立以来、新しい物件が発表されるたびに話題を呼んでいるNOT A HOTELの現在を解き明かす。まずは、実際に購入したレーシングドライバーの小林可夢偉さんに、そのきっかけや理由、どのように使うかなど自身のライフスタイルへの影響について聞いた。

text: Akio Mitomi / photo: Tetsuya Ito

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買った人：小林可夢偉さん（レーシングドライバー）
買った物件：NOT A HOTEL MINAKAMI／TOJI

「僕のライフスタイルに合う拠点にできると思いました」

日本人で3人目、F1の表彰台に上る偉業を成し遂げたレーシングドライバーの小林可夢偉さん。都内を拠点にしつつ、モナコにも家があるという。ヨーロッパをはじめ世界各地のホテルを知り尽くした小林さんに、〈NOT A HOTEL MINAKAMI TOJI〉を購入した経緯を聞いた。

ノットアホテルみなかみ／トウジの敷地全体 — 敷地全体を望む。各ヴィラの開口部は写真奥の方向に設けられる。

ほぼネットの情報だけで、購入を即決しました

「たまたまネットに流れてきた、サウナが付いているという情報を見て即決しました。もともとサウナが僕の生活のルーティンの一部になっていて、時間が空いた時にふらりと入るのが好きなんです」

サウナ以外にも、照明や空調、窓や鍵をスマホやタブレットでコントロールできるスマートハウスという特徴にも興味があったという。

「トヨタ自動車が東富士に建設中の〈ウーブン・シティ〉にも携わっているので、スマートハウスを使いこなすことは、街のスマート化の勉強にもなります。世の中の便利なものを利用しながら、脱炭素化してどう明るい未来を作るか、ですね」

ここに滞在する時は、どのように過ごすのかと尋ねると、

「特に何もせずサウナに入ったり、料理をしたり。僕は海より山のリゾートが好きなんです。高地の気持ちいい空気の中で浄化されたい。ヨーロッパの山のホテルには、派手さではない居心地のよさがあります。ここにも、それを期待しています」。

現場の岩山にて、完成したヴィラからの眺めをイメージする小林さん。
最新バージョンの完成予想CGを確認する。「NOT A HOTELの話を聞いて、ほぼ即決で買ったので、現地を見たのは今日が初めてです」。
レーシングドライバーにとどまらず、多彩でクリエイティブなアイデアを持つ側面も見せてくれた小林さん。

何もしないとは言いつつ、ワーケーションにも最適だ。

「事務作業はほぼリモートで。最近はサーキットで、僕が生豆選びから焙煎、淹（い）れ方までこだわったコーヒーを無料提供しています。さらに今はバラバラな味の〈レクサス〉ディーラーのコーヒーも、統一して、お客さんがまた飲みに来たくなるようなブランディングができればと」

海外にいることの方が多い小林さんには、余った宿泊分をホテルとして貸し出せる点も魅力だろう。ライフスタイルが仕事につながる人に、ふさわしい家となるに違いない。

山頂に連なる、現代の湯治場

NOT A HOTEL MINAKAMI／TOJI（群馬・みなかみ）

販売中／相互利用可能

ノットアホテルみなかみ／トウジの外観 — 三角形の木組み屋根に銅板の一文字きを施した外観。開口部も広く眺望は抜群。

都心から車で約3時間、水源地帯の山頂に立つ5棟のヴィラとレストラン棟。周囲360度に人工物が見えず、春夏秋冬の絶景が堪能できるよう、各部屋に大きな開口部が設けられている。薪ストーブを備えた2階のリビングダイニングは、幅15ｍのインフィニティプールとひと続きで、大自然に没入する非日常を体験できる。

サウナと水風呂、源泉掛け流しの温泉と露天風呂も備える、まさに現代の湯治場。5棟のうち1棟はペットの滞在も可能で、敷地付近にはドッグランを併設する。車で10分以内の近隣にヘリポートを設置予定だ。