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『新潟国際アニメーション映画祭』が開催!審査委員長のノラ・トゥーミー監督に聞く、その見どころ

今年で2回目となる『新潟国際アニメーション映画祭』が3月15日から開催。今年は、どんな長編アニメーションが世界中から集まったのか。その見どころを、審査委員長を務めるノラ・トゥーミー監督に聞いた。

text: Keiko Kamijo

新潟に世界から長編アニメーションが集結

世界中から選りすぐりの長編アニメーションが集う『新潟国際アニメーション映画祭』。2回目の開催となる今年のコンペティションのノミネート作12本が先日発表された。応募作品は2022年以降に完成したもので、40分以上という規定はあるが、ほかは自由だ。作品リストを見て、まず、トゥーミー監督はどのように感じたのだろうか。

「ブラジルやフランス、ハンガリーやタイ、日本もですが、本当に様々な国から、ストップモーション、3D、手法を混在させたもの等、製作手法のバリエーションも非常に幅広く、美しい作品が揃っていました。また、小さなインディペンデントのスタジオからの出品も多かったように思います。そういうスタジオの作品は創作の自由度が高く、監督や製作チームが本当に語りたいことが描かれていてメッセージ性が強いと思います」

コンペティションの審査にあたってトゥーミー監督が重要視したいのは、何よりも「心に触れる作品」だという。

今回の審査員は、トゥーミー監督のほかにカナダの老舗スタジオNFBアニメーションのプロデューサー兼代表を長年務めたマイケル・フクシマ、細田守監督作品のほか様々な映画のプロデュースを手がける齋藤優一郎が務める。

「ノミネートされた作品はファンタジーあり歴史ありと非常に多様性に富んでいます。また、審査員のバックグラウンドも多彩です。そんな審査員全員の心に触れることが重要だと思います。アニメーションは子供にとっても大人にとっても世界への“窓”となるものです。

アニメーションは、そうした世界の難しい出来事に対して、立ち向かう勇気が学べるメディアだと思います。その点、日本のアニメーションは素晴らしく、私は高畑勲監督らからも、とても影響を受けています。そんな多くの優秀なアニメーション作家のいる日本で、多彩な作品と出会い、皆さんと議論できるのを楽しみにしています」

映画祭ではコンペティション部門のほかに、女性監督やアジアにフォーカスした世界の潮流部門、高畑勲作品を考えるレトロスペクティブ部門等、様々な切り口で今観るべき長編アニメーションを紹介する。また会場となる新潟市古町周辺では、トークやシンポジウム、教育プログラム等のイベントを開催。アニメーションの熱気に包まれる6日間となるだろう。

ノラ・トゥーミー監督