歩いて2日かかる山荘でデジタルデトックスする
雲ノ平(くものだいら)は、北アルプスの最奥部、黒部川の源流域にあたる標高2,600m付近に広がる美しい溶岩台地。北アルプスの中でも最後まで開発されなかったことから、かつては“最後の秘境”と呼ばれた。目指す山小屋〈雲ノ平山荘〉までのルートは3つあるが、どれも辿り着くまでに最低でも1泊2日を要する。
「自然の営みに触れることで、過剰なデジタル化によって損なわれる身体性や環境への洞察力を回復することができる」と話すのは、山荘の代表・伊藤二朗さん。自然を取り巻く多様な文化を醸成することを目的とし、2020年からはアーティスト・イン・レジデンス・プログラムを開催。参加アーティストや学者らと交流しながら、新たな視点を生み出している。