Visit

NIGO®が母校で秘蔵のアーカイブを展示。キュレーション担当に見どころや裏話を聞く

文化学園服飾博物館で開催中のNIGO®のヴィンテージアーカイブ展が面白い。NIGO®の作る服の世界観に触れ、ルーツを知ることができる展示は、どのような経緯を経て作られたのか。同展のキュレーションに携わった古着のエキスパート、スタイリストの原田学さんと高円寺の古着屋・〈SUNTRAP〉のお2人に、話を聞いた。

text&edit: Naoko Sasaki

リーゼントに黒縁メガネのマネキンがずらりと整列。着ているのは〈Levi's®〉〈Lee〉〈Wrangler〉というデニム3大ブランドの貴重なヴィンテージ。山のようにこんもりと飾られたカラフルなスエットにはスヌーピーのキャラが勢揃い。文化学園服飾博物館で開催中のNIGO®のヴィンテージアーカイブ展が面白い。

オーセンティックなデニムからワークウェア、ミリタリーウェア、カレッジのスポーツウェア、刺繍入りのスカジャン、アロハシャツ、ボーダーの囚人服まで、まさにヴィンテージの宝箱をひっくり返したような賑やかさ。カテゴリーごとに工夫を凝らした展示は手作りの温かみも感じられ、テーマパークを巡るような気分も楽しい。

展覧会に寄せたNIGO®の序文には、文化服装学院の先輩にあたる故・髙田賢三氏が学生たちと交流していたことを知り、自分にもできることはないかと考えたことがきっかけになった、とある。

「今までほぼ人の目に触れることのなかった」「自分にとって師であり、友でもあるヴィンテージコレクション」を観ることのできる絶好の機会。セレクトと展示に携わったスタイリストの原田学さんと高円寺の古着店〈SUNTRAP〉のお2人に話を聞いた。

SUNTRAP

NIGO®さんとは15年ほど前に店にいらした時からのお付き合い。お会いすると服の話より雑談が多いんですけれど(笑)。展覧会の話を最初に聞いたのは1月頃で「キュレーションの手伝いをお願いできますか?」とのことでした。

原田学

NIGO®さんが『the SUKIMONO BOOK』を揃えられていて、展覧会の図録をコレで作れないか?とのことで〈SUNTRAP〉さんを介してお話をいただき、制作することになったんです。

6月にNIGO®さんのヴィンテージアーカイブルームに集まって、展示用と図録撮影用のアイテムを2日間かけて選別しました。膨大なコレクションの中からデニム、ワークウェア、スポーツウェアなどアメリカのヴィンテージの王道に絞って。

SUNTRAP

本当になかなかお目にかかれないものばかりで、みんなで「これはいいね」ってわいわい盛り上がりながら選びました(笑)。

原田

僕たちが90年代に古着といえば「これ」と思っていたものが、今では店頭で目にすることはない。「懐かしいな」という感じも見せられたらと。

古着の楽しさを、遊びのある見せ方で

SUNTRAP

点数は500〜600ぐらいはあります。展示については、アイテムをどう振り分けるかをまず考えました。1階はわかりやすくデニムを中心に始めて、2階はもっと自由にという感じで。

原田

最初から、博物館らしくない方向でやろうと話していて。昔の古着屋さんがものをいっぱい詰め込んで販売していたような、古着ならではのモリッとたくさん見せる展示をやろうと。服飾博物館の展示を数えながら「4個分のスペースだからここは12個以上飾れる(笑)」と目安をつけて。だから通常の何倍も展示しているはずです。

SUNTRAP

普通では入り切らない量なのですが、もったいないから後ろにも置いちゃおうと。ショーケースや棚や台、トルソーを見ながら、一つずつ即興で作っていきました。現場に来られたNIGO®さんの指示で微調整してすごくよくなったところもいくつかあるんです。

解説のパネルなどは最後に文化服装学院が作ってくれて、外国の方や子供も読めるように漢字にはすべてルビが振ってあるんです。

原田

特に古着好きでなくても単純にものとして面白い。これをきっかけに古着やアメリカンカジュアルの世界に興味を持ってたり、好きになってもらえたりしたら。

また、NIGO®さんの作っている服の世界観に触れて、ルーツがわかると、さらに新しい楽しみ方ができるんじゃないかなと思います。