最もミニマルな表現方法で、個性が浮き出る。ぺらっとしたトートバッグだから面白い
遊休施設を合法的に占拠し、新たな価値を作り上げる活動〈SKWAT〉など、話題をさらう動きをし続ける中村圭佑さん。彼が学生時代から変わらず、こよなく愛する日用品はトートバッグだという。
「レジ袋が有料になる前から、毎日必ずカバンに入れて持ち歩いてます。家に200はあるんじゃないかな。なかでも海外製の柄が長い、ぺらっとしたやつが好み。スタイルが綺麗に見えるし、意外に頑丈なんです。頂き物も多いですが、もともとはミュージアム巡りが趣味で。トートだけはよく買って帰るんです。安くて、旅先でものを入れられてかさばらないなんて、すごく合理的で魅力的じゃないですか」
お気に入りはダミアン・ハーストが経営する〈ニューポート・ストリート・ギャラリー〉の品(上段左から3番目)。建物の外形をかたどったモチーフは、どこか〈SKWAT〉のHPにちりばめられたデザインを想起させる。
「トートバッグのデザインって最もミニマルな表現方法だから、作り手の個性が浮いて出るんです。そこが面白い。大抵は大量生産品なので、形にこだわっていて、かつグラフィックがいいものなんて、そうないんですよね。トートに限らず、“意志を感じられるもの”に惹かれます」