ファッションスニーカーとの密接な関係に着目
ファッションブランドがデザインのモチーフにするなど、なにかと目にするミリタリーシューズだが、京都のヴィンテージショップ〈カプリ〉のオーナー田中聡介さんが所有するものは一味も二味も違う。
一回のバイイングで約40日の時間をかけアメリカ、ヨーロッパを巡り、それを18年続けていても、めったにお目にかかれないレアものばかり。世界的コレクターに直談判して入手したりするというから、そのラインナップがいかにすごいかが窺えよう。
「販売員としていろいろなものを提案しないといけない立場で恐縮ですが、自分の足元はいつもミリタリーシューズ。軍用の靴は機能性を探るととにかく面白い。バリスティックナイロンやビブラムソールを使っていたり、予算度外視のオーバースペックが愛すべきポイント。またその機能が意味を持って搭載されているところに魅力があると思います。
ニューバランスの『993』というモデルは米軍がフィジカルトレーニングで使用しているほど履き心地抜群で、長時間立ちっぱなしの僕にうってつけの一足。履くことが前提なので基本どれもデッドストックで手に入れるようにしています。レアなものはどうしても自分用にしてしまいがちですが、2足以上見つけた時はしっかり販売しています」
有名ブランドのスニーカーでは物足りなくなったという田中さん。
「もちろんナイキやアディダスの古いスニーカーは好きです。でもそれらの名品に比べ、人が見慣れないものだから“何これ⁉”という驚きを与えることができます。中にはナイキの『エア マックス』っぽい軍用スニーカーとかもありますし(笑)。ミリタリーシューズは、大手シューズカンパニーが国のために手がけているものが多くあるから、知れば知るほど奥が深い。
プロケッズの前身であるUSラバーカンパニーが1950年代頃に手がけた靴なんて、後の『ロイヤルアメリカ』というモデルそのもの。有名デザイナーがデザインのモチーフにしていたりするし、多くのスニーカーの元ネタだったりするんですよ」
企業ものからデザイナーズものまで様々!
SKYDEX/BATTLE TRAINER(2014)
MAGNUM/BRITISH TRAINER('00s)
HI-TEC/BRITISH TRAINER('90s)
ITALIAN ARMY('80s)
AIGLE/FRENCE NAVY('50s)
EAST GERMAN TRAINER('70s)
US RUBBER COMPANY/US TRAINER('40s~'50s)
ITALIAN NAVY(2001)