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クライストチャーチから30分。すぐに辿り着いた絶景ポイントは、別世界でした

ニュージーランドを旅すると、自然のフィールドへのアクセスの良さに驚く。南島の中心都市であるクライストチャーチにおいても、それは変わらず、街で働く人も常に自然と接しているように見える。車で30分も走れば、絶景が広がっている。クライストチャーチを起点に少しずつ行動範囲を広げ、フィールドの身近さとともに環境の多様さを感じられる場所を探した。車から降りて歩き始めれば、すぐにニュージーランドのダイナミックな風景の一部になる。

photo: Taro Hirano / text: Toshiya Muraoka

街から車で5分

仕事終わりに走りに行く、町外れのトレイル〈Rapaki Track〉

町外れのトレイル〈Rapaki Track〉

クライストチャーチの人々が仕事の後にトレイルランニングにやってくる〈Rapaki Track〉は、牧草地の谷間へと続いている。3.5キロメートル、片道およそ45分の短いトレイルだが、〈Valley Track〉など他のトレイルにも繋がっていて好みの距離にアレンジできる。至るところに羊がいて、その脇を静かに歩き、振り返ると街が見えた。稜線からはバンクス半島の山々が見える。ニュージーランドにおいて自然の中で遊ぶことは特別ではなく、日常の一部。そう思わせてくれるのは、実は壮大な風景よりも、こんなふうに身近なトレイルかもしれない。

クライストチャーチ市街の南東に位置する、小高い丘であるMt Vernonの稜線を通るルート。クライストチャーチ市議会に詳細図あり。

街から車で45分

バンクス半島のトレイル〈Te Ara Pātaka〉で地形の複雑さを感じる

バンクス半島のトレイル〈Te Ara Pātaka〉

バンクス半島は火山と侵食によって複雑な地形がつくられ、山中を縫うようにしてトレイルが多く走っている。35キロメートルのトレイル〈Te Ara Pātaka〉は、すべて歩けば2〜3日かかるが、稜線まで上がるだけならば2時間程度のハイキング。〈Summit Walkway〉とも呼ばれる。トレイルの途中には、Packhorse Hutなど、とても整備された山小屋がある。ただし宿泊には予約が必要で、18歳以上は15ドルかかる。山と入江がせめぎ合っている風景は、太古の昔を想像させるほど迫力がある。クライストチャーチからの日帰りで、スケジュールに合わせたハイキングにもおすすめのルート。

〈Te Ara Pātaka〉のトレイルヘッドは、Kaituna Valley Roadまたは、Western Valley Roadから。8月〜10月までは、閉鎖している。HUTの予約は、ニュージーランド自然保護局のサイトでできる。

街から車で1時間半

73号線沿いに現れる、キャッスルヒルの巨岩群

キャッスルヒルの巨岩群

ニュージーランドの南島を横断する73号線沿いには、風光明媚なスポットが多い。中でも特徴的なランドスケープが広がっているのがキャッスルヒル。開けた空間に突然の巨岩群。駐車場も73号線沿いにあり、車を停めて10分も歩けば巨岩に囲まれる。ロープで制限もされず、立ち入り禁止の区域もない。ロック・クライミング、ボルダリングの名所でもあり、世界中からクライマーが集まっていた。彼らはバンで暮らしながら、旅をしている。ニュージーランドでは、クライマーやサーファー、ハイカーのように旅とライフスタイルが結びついた人たちと多く出会う。

街から車で2時間

やっぱり滝に、人は惹きつけられる。その名もデビルズ・パンチボウル

デビルズ・パンチボウル

キャッスルヒルを越え、73号線をさらに西へ進むとアーサーズパス国立公園に着く。2400メートルのマーチソン山など、2000メートルを超える山が連なる谷間にある。いくつものトレイルの起点であり、ハイカーと観光客が集まる場所でもある。2キロメートル、往復1時間ほどの散歩の場所として、デビルズ・パンチボウル・ウォーキング・トラックを選んだ。観光客が多いためだろう、ニュージーランドにしてはかなり整備されたトレイルを歩く。原生林を抜けた先には、131メートルの落差の滝。家族連れも多く、滝つぼの手前で泳いだというグループにも会った。

アーサーズパス国立公園はサザンアルプス山脈の谷間にある。街からは73号線をおよそ2時間のドライブ。アーサーズパス・ヴィレッジには、カフェや宿泊施設もある。また観光列車〈TranzAlpine Train〉でのアクセスも可能。
HP:https://www.newzealand.com/jp/feature/devils-punchbowl-walking-track/