BRUTUS.jpの顔、デイリーブルータスのデザインも手がけるアートディレクターの前田晃伸が、自身の事務所とギャラリーを併設したスペース、〈PAAMA〉をオープンさせた。
特徴的な施設名は、ヘアスタイルのパーマ(和製英語)から。髪型を変えるだけで異なるスタイルや気分を作り出せることになぞらえ、スペース自体も自由自在に文化や領域の垣根を超えていくことを目指す。
場所は、神楽坂にある外国人向けシェアハウスの1階部分に設けられ、内装デザインを〈sacai〉〈Kiko〉〈Kostadinov〉で知られるインテリアデザイナーの関祐介が手がけた。
11月16日からは柿落としとして、韓国のデザインシーンを牽引する、アーティスト、イ・カンホの個展が開催。スタイロフォーム、ポリ塩化ビニル、鉄、陶土など、多様な日用品を用いながら幅広い表現をするカンホ。今回の展覧会では、彼のシグネチャーであるロープやケーブルを編み込んだ作品「Obsession(執着)」と名付けられたシリーズが展示される。
また、作品の台座となる什器は、内装を手がけた関によるもので、壁や天井の下地を作るときに用いられる鉄骨(軽鉄)を使用した、〈PAAMA〉の空間と親和性のあるデザインになっている。
今回の個展に合わせて、〈TOO MUCH Magazine〉チームが編集した展覧会の作品集を発行。展示初日には作家のイ・カンホ本人によるトークも開催されるなど、新しいスペースへの期待が高まる。
今後はアーティストだけではなく、キュレーターにもさまざまな人を迎え、アジア出身の若手作家を積極的に紹介。アートとプロダクトデザインの中間にあるような作品を中心に展示をしていくという。アジアの新しい表現の発信地として神楽坂が盛り上がっていくのが楽しみだ。