食と植物の視点から、“衣食住”の未来へと思いを巡らせる展覧会『Life is beautiful:衣・食植・住』展の第3回が、表参道の〈GYRE GALLERY〉で開催中だ。
生産者との深い繋がりを通して、「あらゆる生命の循環を支える源は“土”にある」と意識するようになったという〈eatrip〉主宰・料理人の野村友里。料理人が、この循環の一部に加わるための、今の時代なりの方法を考え続ける活動の一つとして、2021年に『衣』展、2023年に『住』展を開催してきた。
そのシリーズの締めくくりとなる今回は、『食』がテーマ。
はるか数千年前から「命をまもるため」の衣服や住居に活かされ、「命をつなぐため」に食されてきた「米(稲)」。茅葺き屋根や土壁、陶芸、染色など、あらゆるものに活用されてきた、衣食住のすべてに通底する植物を「食」の視点から再びクローズアップする。
本展では「米(稲)」が私たちの暮らしに、どのような文化をもたらしたかを辿るパネルが展示される。また「稲わら(稲の収穫後に残る茎)」に着目して衣服や家具、モニュメントを制作するアーティストや、栽培に欠かせない土と向き合う陶芸家など、さまざまな表現者たちが参加、作品を展示。
「私たち(日本人)は、なぜお米を食べるのだろう?」という根源的な問いに対する彼らの答えを通して、鑑賞者もともに考えを深めていく展示構成となっている。
会場内では、セレクトショップ〈家巣ショップ〉が集めた、日本固有の美しさをもった作り手たちの品々、おにぎりケースや風呂敷、器、箸、お米などの購入も可能。ぜひお土産に買って帰って、改めて家族や友人たちと食の未来について語りたい。



