一枚の布と身体の関係、そこに生まれる間を探求する〈イッセイミヤケ〉の服づくり。その可能性を押し広げてきた素材のひとつに、「和紙」がある。現在、そんな和紙にフォーカスした展示『On Washi ー和紙によせてー』が東京と大阪のショップで開催中だ。
本展では、〈イッセイミヤケ〉2024年春夏コレクションの会場を彩った、美術家・田中義久氏との共同企画による和紙のインスタレーションをもとに制作した新たな和紙で空間が構成され、企画の裏側を記録した映像と、それに紐づく田中氏とデザイナー・近藤悟史のインタビュー映像も鑑賞することができる。
産地をめぐり、工場や技術者とともに研鑽を重ねてきた和紙が周りの環境に反応しながら偶発的に変容していくその様は、つねに遊び、揺らぎをその中に内包している生命の運動、同ブランドが向き合い続けてきた身体の必然を想起させるよう。
和紙との対話を通して、〈イッセイミヤケ〉のものづくりの本質に触れる機会になりそうだ。
『On Washi ー和紙によせてー』展示会場