生産者を訪ね、旬を重ねる
エグゼクティブシェフを務めるブルノ・昼間さんは、1990年スペインのマヨルカ島生まれ、バルセロナ育ち。2010年に日本へ移住してから北海道で5年間を過ごし、函館の小さなフレンチレストランでスーシェフを務めた。その後、銀座のミシュラン二つ星〈スリオラ〉で研鑽を積み、2024年12月にエグゼクティブシェフに就任した。
ブルノさんはみずから生産者を訪れ、その食材をふんだんに使った秋のメニューを構成した。
シグネチャーコース「OMAKASE」の1皿目「トンノ ピスタチオ」は、沖縄・やんばる地域のアボカドとシークヮーサー、シチリア産ピスタチオを組み合わせ、マグロのタルタルに、日本とイタリアの食材を重ねた。
パスタ「ボットーネ カチョ エ ペペ アマエビ」は、有機卵で練った生地に函館の甘海老を合わせる。伝統的なローマ料理のカチョ エ ペペに日本の海老が加わることで生まれる食感の違いがポイントになる。
メインの魚料理は、仕入れ状況に応じて北海道産キンキか長崎・五島列島産クエを使う。キンキは3日間、クエは7日間の熟成期間を設け、それぞれ備長炭、プランチャ(鉄板)と調理法を変える。魚種と熟成日数、火入れの方法まで変えることで、同じ「秋の魚料理」でも日によって異なる体験になる仕掛けだ。グリーンエッグで火入れした蓮根と、スペック(生ハムの燻製)のソースを添えて完成する。
デザートは長野産りんご。りんごのソルベとローズソースに、リコッタムース、バニラクリームを重ねる。
ランチ限定コースは「TRADIZIONE LUNCH」と「CLASSICO」の2種を用意。銀座タワー10階から、秋の味わいを届ける。