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この冬スクリーンで観られる10作品。あの映画の一言が沁みる

劇中の、たった一つの言葉が、あらすじよりもキャストよりも雄弁にその映画を語ります。これから映画館で上映される新作、リバイバル上映作品の中から10本をピックアップ。

本記事は、BRUTUS「沁みる映画。」(2024年11月15日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

text: BRUTUS

2度目のはなればなれ

もしあなたが友に誇れるとしたら、私を70年間愛してくれたこと

『2度目のはなればなれ』
89歳の退役軍人バーナードは、ノルマンディ上陸作戦の70年記念式典に参加するため、妻とともに入所する老人ホームを抜け出す。妻の元を離れるのは2度目だ。実話に基づく物語。名優マイケル・ケインの俳優引退作。
公開中/英。

イル・ポスティーノ 4Kデジタル・リマスター版

おれこそ彼の世話になった

『イル・ポスティーノ 4Kデジタル・リマスター版』
南イタリアの小島に暮らすマリオは、亡命しこの島に滞在することになった高名な詩人ネルーダに世界中から届く手紙の郵便配達人に採用される。主演のマッシモ・トロイージは撮影終了の12時間後に亡くなった。
公開中/伊=仏。

ヴァラエティ

ただの仕事でしょ 私は好きで楽しんでる おかしい?

『ヴァラエティ』
NYのポルノ映画館〈ヴァラエティ〉でチケット売りをする女性クリスティーンの周りで起きる出来事を描く。米インディペンデント映画の先駆者の一人、べット・ゴードンの初長編作。
11月16日、日本劇場初公開。'83/米。

ホワイトバード はじまりのワンダー

命を危険にさらして人を助ける時、その親切は奇跡に近い

『ホワイトバード はじまりのワンダー』
いじめを行い退学処分となっていた少年ジュリアンは、祖母のサラからナチス占領下に命を救われたある出来事についての話を聞く。2018年の映画『ワンダー 君は太陽』のその後を描く作品。
12月6日、全国公開/米。

キノ・ライカ 小さな町の映画館

田舎に映画館を作っても儲からないと言われてもアキはこうだ。『それが目的じゃない』

『キノ・ライカ 小さな町の映画館』
フィンランドの鉄鋼の町カルッキラで、映画監督アキ・カウリスマキと仲間たちによって作られた映画館〈キノ・ライカ〉と、その町に住む人々の暮らしを捉えたドキュメンタリー。
12月14日、全国順次公開/仏=フィンランド。

ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた

いいか ドニー 私は全ての土地さえ喜んで手放した お前の音楽を聴くためならな

『ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた』
約30年の時を経てレコードコレクターが発掘した“埋もれた傑作”は、ワシントン州の田舎町で静かに暮らすドニー(ケイシー・アフレック)がかつて家族と作ったレコードアルバムだった。
2025年1月31日、全国公開/米。

リアル・ペイン 〜心の旅〜

今悲しまなきゃ話にならない

『リアル・ペイン 〜心の旅〜』
NYに住むユダヤ人のデヴィッドと従兄弟のベンジーは、亡き祖母の遺言でポーランドのアウシュヴィッツを訪ねるツアー旅行に参加する。ジェシー・アイゼンバーグが監督・脚本・製作・主演。
2025年1月31日、全国公開/米。

Brother ブラザー 富都(プドゥ)のふたり

(手話で)俺はなぜここに生まれたのか 家もなく 両親もいない 遠くからみんなを見ているだけ

『Brother ブラザー 富都(プドゥ)のふたり』
クアラルンプール最下層の町で、身分証明書を取得できずに暮らしている聾啞(ろうあ)の兄アバンと、弟アディ。ID取得の希望が見えてきた頃に、ある事件が起きてしまう。
2025年1月31日、全国順次公開/マレーシア=台。

ザ・ルーム・ネクスト・ドア

ドアを開けて寝るけれど─── もし ドアが閉まっていたら 私はもう この世にいない

『ザ・ルーム・ネクスト・ドア』
病に侵され安楽死を望むマーサ(ティルダ・スウィントン)は、かつて親友だったイングリッドに寄り添われ、人生最期の数日間を森の家で過ごす。ペドロ・アルモドバル監督最新作。
2025年1月31日、全国公開/スペイン。

ノー・アザー・ランド(原題)

世界は終わるよ

『ノー・アザー・ランド(原題)』
破壊される故郷を撮影し続けるパレスチナ人青年と、それに協力するイスラエル人青年。敵同士であるはずの2人に芽生えた友情と決死の活動を追ったドキュメンタリー。
2025年2月21日、全国順次公開/ノルウェー=パレスチナ。

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