Danila Tkachenko 『Escape』
森林の中で暮らすラディカルな人々の生活を追う。
社会生活から逃れようと決心したロシアの写真家が、都市や人のコミュニティから離れ、ロシアやウクライナの森の中で一人で生活をする人々を探し撮影する。野生を選択した彼らから、都市生活における問題を炙り出している。
Mårten Lange 『CHICXULUB』
6,600万年前に恐竜が絶滅した土地の痕跡を探る。
恐竜を絶滅に追いやったとされる小惑星衝突でできたメキシコのチクシュルーブ・クレーターの周辺で撮影。動物、シンボリカルな月、マヤ遺跡、リゾートホテル開発地等のイメージの羅列から失われた世界への新たな物語が立ち上がる。
Alejandro Cartagena 『Rivers of Power』
工業化された地域の川とその周辺に起きた悲劇。
メキシコ在住の写真家が6年間にわたって取り組むサンタカタリーナ川をめぐる物語。工業都市時代には雇用主と労働者を分ける境界となり、時として川は氾濫を起こし多くの命を奪う。川から考える都市の歴史。
George Shiras 『In the Heart of the Dark Night』
20世紀初頭に撮影された夜の動物たち。
弁護士で政治家のジョージ・シラスは、同時に生涯をかけ生物写真に従事。1893年頃には、ネイティブアメリカンやハンターの協力の下、トラップ装置を用いたフラッシュ撮影の方法を確立。世界で初めて夜間野生生物の撮影に成功した一冊。
Jean-Luc Mylayne 『Into the Hands of Time』
1羽の鳥を追う視点と鳥の目で見る世界。
単一のモチーフ=鳥を常に追い求めるフランスの写真家。1羽の鳥を撮影するために数週間から数ヵ月かける撮影方法は、定めた構図に鳥が舞い降りてくるのを待つこと。画面に小さく写る鳥や鳥目線の風景からは、大きな生命の循環が感じられる。
津留崎健 『絶景 日本の釣り』
「釣り」から見えてくる、自然と人との関係。
釣りの撮影を長年続ける著者による、釣り人だからこそ出会えた日本の原風景と釣りシーンをまとめた一冊。ダイナミックな滝や飛沫や魚の躍動感、湖畔の静けさ……変化に富んだ多彩な水の表情は圧巻。ほとんどすべての写真に釣り人の姿が写ってます。
渡辺洋一 『雪山を滑る人』
まっさらに輝く雪山に残ったひと筋の痕跡。
ジェラートのように滑らかな雪の表面を蛇行して残るひと筋の跡。人を遠ざける険しい雪山も点のように滑走する人の姿を認めるだけで景色が一変する。ニセコ高原在住の写真家が世界各地で撮影したバックカントリースキー、そして雪山の山岳写真。
Charles Lindsay 『Upstream』
5年かけて巡ったアメリカ西部の川の姿。
釣りの背後に隠された自然を描く。サブタイトルはFly Fishing in the American West。カリフォルニア、モンタナ、アイダホ州等アメリカ西部の川で撮影されたフライフィッシングの写真集。テキストは小説家・脚本家のトーマス・マクゲイン。