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音楽家・蓮沼執太が選ぶ一本。私の好きなナチュラルワイン

ここ10年で、ワインは難しいものから、一気に私たちに身近なお酒になりました。ナチュラルワインをカジュアルに楽しむワイン好きに聞いた、お気に入りの一本とは?

illustration: Hitoshi Kuroki / text: Maki Kakimoto

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ファンキーな造り手たちのパッションを味わう

蓮沼執太(音楽家)イラスト

未知の一本にチャレンジするのがナチュラルワインの楽しさですよね。個性的でファンキーな造り手が多い印象なので、どんな人がどんなふうに造っているのか、その味ができるまでの背景や彼ら自身の話を聞くのが面白い。

風土やブドウの個性はもちろんだけど、人となりも味に表れると思うから、その人のパッションに触れると、どんな作品に仕上がっているのか興味が湧いて、じゃあ試してみようかな、と購入する。幸い馴染みのワインショップがあるので、僕の好みも把握しつつ面白い一本を紹介してくれる。

このクレール・オブスキュルは、「今飲むならこれ!」と代々木上原の〈アコテ〉で薦めてもらった一本で、ロゼのような色調でまさにこの季節にいい感じ。「音楽で言うと低音が詰まっていて高音ギラギラ系で」なんていう無茶なリクエストに応えてくるのも楽しくて、僕の探究心を刺激してくれます。

クンプフ・エ・メイエ クレール・オブスキュル・レストン・ナチュール
クンプフ・エ・メイエ クレール・オブスキュル・レストン・ナチュール/仏・アルザス地方のワイナリー。2010年からヴィニュロンとして招かれたジュリアン・アルベルチュスが造るワイン。「寡黙な青年という造り手の静かなパッションに惹かれて。ピュアな味わいも好みです」

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