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夏木マリが50年間の芸能生活を振り返る中で語った、好奇心の源泉とは

今年、デビュー50周年を迎える夏木マリ。50年間の芸能生活を振り返る中で語った、彼女の好奇心の源泉とは。

photo: Kazuharu Igarashi / styling: TAKU for CUTTERS@VOW-VOW / hair & make: SADA ITO (SENSE OF HUMOUR) / text: Katsumi Watanabe

50周年記念を、新鮮な「東京ブギウギ」で

今年、デビュー50周年を迎える夏木マリ。ライブや舞台など、さまざまなアニバーサリーが予定される中、作曲家、音楽家の坂東祐大がプロデュース、バンクシア・トリオが演奏を務めた「東京ブギウギ」のカバー「TOKYO JUNK BOOGIE」を発表した。

「音楽や舞台などで、なにかを表現する時には“なんだこりゃ⁉”というものをやりたい。もともとファンだった坂東さんと一緒なら面白いことができると思い、制作をお願いしたんです。予想通り、最高な作品になり本当にハッピーでした!」

夏木マリ

尽きることのない好奇心が、自分を更新していく

デビュー50周年を記念して、リリースされる「TOKYO JUNK BOOGIE」は、笠置シヅ子の名唱で知られる「東京ブギウギ」(1947年)のカバーが、2バージョン収録されている。

「2017年から〈BLUE NOTE TOKYO〉でライブを続けていますが、50周年の企画を考えていた時、“体を動かしながら歌いたい”と思ったんですよね。それで今歌ってるブルースの延長線上にある、ブギのリズムにしようと決めました。日本で知られているブギは歌謡曲だし、アメリカの曲のカバーだとマニアックすぎる。いろいろ思案する中、ファンだった坂東祐大さんに相談して、『東京ブギウギ』を、今一番面白いミュージシャンたちと制作すれば、新しいブギができるんじゃないかとなってスタートしました」

バンドメンバーはバンクシア・トリオの須川崇志(B)と林正樹(P)、石若駿(Dr)。そこに松丸契(Sax)と岡田拓郎(G)が参加。

「坂東さんからは、たくさんのデモが届きました。その中からオーソドックスなものと、私好みの“なんじゃこりゃ⁉”という、超極端なアレンジを選んで、レコーディングすることに。『東京ブギウギ −JUNK BOOGIE−』は、難易度が高かったですが、とても楽しかったです。今活躍してる皆さんとね、年は離れていても年齢なんて記号としか思っていないんですよ。才能があればいい。だから、今回の制作やレコーディングからも新しい刺激をいただきましたね」

長年にわたり表現を続ける、そのエネルギーの源は?

「興味のあることが尽きず、どんどん気になる人や物事が出てくる。実際にその場へ行くと、新しい発見や出会いがあり、次に行くことができる。その連続です。私には趣味というものがなくて、仕事しかないんです。映画を観れば編集が気になり、音楽を聴くと自分で歌いたくなる。“大変な仕事に就いちゃったな”と、気がついたんですが、もう引き返せない(笑)。だから、才能はないと思うけど、常に本気で取り組んでいこうと思っています」

夏木マリ