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中目黒〈ADI〉で味わうネパール料理。WORLD GOURMET GUIDE vol.6

各国の食文化に根ざした料理を、洗練されたスタイルで。世界の料理は今、東京で目覚ましい進化を遂げている。日本の上質な食材を生かし、季節感を盛り込んだ料理を、ワインなどの食中酒とともに。南アジア諸国に始まり、韓国、ペルー料理店へと広がりを見せ、流れはさらに加速していきそう。

photo: Kenya Abe / text: Kei Sasaki

ADI(中目黒)

ネパール人オーナーシェフの、
魚も取り入れた新・ネパール料理。

「モダン・ネパール料理」を標榜し、2020年8月に開業した〈ADI〉。オーナーシェフ、アディカリ・カンチャンさん自ら厨房に立ち、モモなどの定番料理や現地のストリートフードをモダンに仕立てたコースで、多くの食べ手のネパール料理観を新たにした。

中目黒〈ADI〉店内
カウンター含め9席。22年3月、徒歩すぐの場所にチャイ専門店を開業。

開業から1年半、料理はさらに進化している。象徴的なのが、魚料理だ。「伝統の再構築や調理法の越境だけでは新しい料理は生まれない」と、アディカリさん。ネパールに海はないが「ここ日本に根ざす食材と、自分のルーツとなる食文化、2つの本質の掛け合わせが、今の私にとってのローカルで、ネパール料理をイノベートするはず」と話す。

魚は有名料理店が指名買いする静岡〈サスエ前田魚店〉のとびきり。脂ののった金目鯛は、スパイスで野菜の甘味を引き立てたカレーや酸味の効いた自家製のアチャール(漬物)とよく合う。世代やジャンルを超え、国内外のトップシェフとも交流しながら、南アジア料理の新時代を拓く。