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実は名所の宝庫。60分余った時の、“でら”楽しい昼間の名古屋の過ごし方:Vol.3

名古屋で60分余ったら。隅々まで満喫したい人のために、予想以上に奥深い王道の観光名所からディープな名所まで魅力あるスポットを紹介。名古屋エリアの魅力を堪能できる体験プログラムツアーを企画する大ナゴヤツアーズの加藤さんが、でら楽しい!と驚いてもらえる時間の過ごし方を提案します。

初出:BRUTUS No.895名古屋の正解』(2019年6月15日発売

photo: Masahiro Ota, Kazuhiro Tsushima / edit&text: Mikiyasu Kato

三種の神器の一つをお祀りする熱田神宮で心を落ち着けよう

熱田

名古屋〈熱田神宮〉外観

年間約700万人の参拝者が訪れる〈熱田神宮〉は、三種の神器の一つ、草薙神剣をお祀りする、伊勢神宮に次ぐ創祀1900年余の大宮だ。参拝は駅から近い「東門」ではなく「正門(南門)」から入るのがおすすめ。大きな鳥居を抜け、緑深い参道の砂利を踏む音を聞きながらゆっくりと歩く。樹齢1,000年を超える大楠をはじめ、緑豊かな境内は夏でも涼しく気持ちが良い。本宮ではお願い事の前に、“感謝”を伝えるために手を合わせてもらいたい。

1,256体もある微笑みの円空仏に魅せられる

荒子

名古屋〈荒子観音寺〉円空仏

一目見るだけで心が洗われる慈愛に満ちた微笑で、何かを優しく語りかけてくれているような“円空仏”は約300年も昔のものだが今でも人々の心を打つ。尾張四観音の一つである〈荒子観音寺〉は、1,256体もの円空仏を保存し、3mを超える仁王像から2.7cmの小さな仏まで、すべて1本の巨木から彫られたというのだから驚きだ。拝観できるのは第2土曜のみだが、手作り円空体験教室も開催されていているので自分で彫った円空仏を旅の土産にしよう。

名古屋城 本丸御殿

市役所駅

名古屋〈名古屋城〉本丸御殿

「尾張名古屋は城でもつ」といわれる名古屋のシンボル、名古屋城に立ち寄ったら近代城郭御殿の最高傑作と呼ばれる〈本丸御殿〉へ。初代藩主・徳川義直の住居として使われた絢爛豪華な建物は「書院造」といわれ部屋の格式によって天井や欄間、装飾、障壁画などの作りやデザインが大きく変わり、その華麗さに思わず息が漏れる。中でも天才画家集団「狩野派」によって描かれた走獣や花鳥などの障壁画は美術館を楽しむようにじっくり鑑賞すべし。