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実は名所の宝庫。30分余った時の、“でら”楽しい昼間の名古屋の過ごし方:Vol.2

名古屋で30分余ったら。隅々まで満喫したい人のために、予想以上に奥深い王道の観光名所からディープな名所まで魅力あるスポットを紹介。名古屋エリアの魅力を堪能できる体験プログラムツアーを企画する大ナゴヤツアーズの加藤さんが、でら楽しい!と驚いてもらえる時間の過ごし方を提案します。

初出:BRUTUS No.895『名古屋の正解』(2019年6月14日発売)

photo: Masahiro Ota, Kazuhiro Tsushima / edit&text: Mikiyasu Kato

名古屋生まれの洋食器ノリタケの
世にも美しいお皿に触れる

則武新町

名古屋駅から徒歩圏内に、1904年創業の世界に誇る洋食器ブランド〈ノリタケ〉の本社がある。地元の人たちの憩いの場としても愛される豊かな緑に囲まれた「ノリタケの森」敷地内にある〈ノリタケスクエア名古屋〉は3,000点以上の食器に特化したショップだ。華やかなデザインが多い中、目に留まったのは、「窯変(ようへん)」をイメージしたモダンなクリフシリーズのディーププレート5,400円。普段の食卓を彩ってくれるお気に入りの一枚を見つけよう。

閑静な住宅街の雑貨店で、
自分に合った生活道具に出会う

本山

名古屋〈sahan〉店内

“良いものを長く使ってもらいたい”と作家の器をメインに、厳選した暮らしの道具を揃える〈sahan〉。
猫洞通(ねこがほらとおり)沿いにある小さな店には、店主自らが選んだ日本各地の作家20〜30名によるシンプルなデザインの器がゆったりと展示されている。なかでも、日本六古窯である愛知県の瀬戸、常滑で修業した作家の作品が多いのだとか。そのほかにもたわしやフライパンなどの日用品も多く、長く愛用しようと思ったり、自分の生活スタイルを見直すきっかけにもなる。

あの高級メゾンも虜にした、
有松絞のストールに触れる

有松

“Shibori”と世界中で共通して呼ばれ、400年の歴史を持つ有松鳴海絞(ありまつなるみしぼり)。テキスタイルとして面白いと世界的な高級メゾンをも惚れさせる〈suzusan〉。5代目の村瀬弘行さんは、今の時代に合った有松絞を目指し、“かっこいいもの”として手に取ってもらいたいと語る。伝統工芸のイメージから逸脱したオーガニックコットンストール(上の写真のオレンジ色は33,480円)を首に巻いてみよう。色鮮やかで上質なハンドメイドシャツにも袖を通したい。

隈研吾建築の〈両口屋是清〉で
限定スイーツを味わう

東山

大きな三角屋根でひときわ目につく建物は、隈研吾が手がけた名古屋の老舗和菓子屋〈両口屋是清 東山店〉。甘いものが苦手だけど、建築は見たい、という人でも楽しめる。1階の販売エリアを抜けて階段を上がると2階にはカフェスペースがあり、抹茶と生菓子の王道セットもあるが、せっかくならここでしか味わえない喜蝸(きっか)プリン(抹茶)486円を。卵を使わず寒天で作る滑らかな口当たりの濃厚な一品は、プリン好きも納得の味だ。