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“次世代への橋渡し系”古道具店、長野・諏訪〈リビルディングセンタージャパン〉

県内には古道具や古材を扱う、個性の強い店が点在している。時代も、歩んだ変遷もバラバラな古物を扱い、店を営むことができるのは、特有の素地があるから。店主の思想が如実に反映される奥深き古道具店の世界へ。古道具店は、捨てられてしまう古物を“救い出し”、次の世代へと渡す“循環”を作る活動とも呼べる。全国から注目を集める店舗で、その方法論を聞いた。

photo: Kenya Abe / text: Toshiya Muraoka

〈ReBuilding Center JAPAN〉(諏訪市/諏訪)

住み込みでリノベーションを請け負い、転々と暮らしていた東野唯史さん・華南子さん夫妻は、全国で何軒もの解体現場を目撃したという。輸入材や合板が主流になる前の建材には再利用できるものも多く、それらが燃やされてしまうことを残念に思っていた。同時に家主の多くも「後ろめたさ」を抱えていることを知り、ならばと立ち上げたのが、解体寸前だったビルを改装し、古材や古物を扱う店だった。

並ぶ古物には「いつどこで、どんな人が使っていたか」を辿れるトレーサビリティのためのレスキューカードが付けられている。モノに宿る物語は「誰かの特別なものになり得る」から。彼らは古材を引き受け、次の使い手に渡す循環をレスキューと呼んでいる。古材利用のワークショップをしたり、規格外の果物をカフェで使ったり。

上諏訪では彼らが空き家の改装を手がけ、店を開く人も増えている。通称・リビセンは単なる店ではなく、運動体と呼ぶべきかもしれない。