〈ReBuilding Center JAPAN〉(諏訪市/諏訪)
住み込みでリノベーションを請け負い、転々と暮らしていた東野唯史さん・華南子さん夫妻は、全国で何軒もの解体現場を目撃したという。輸入材や合板が主流になる前の建材には再利用できるものも多く、それらが燃やされてしまうことを残念に思っていた。同時に家主の多くも「後ろめたさ」を抱えていることを知り、ならばと立ち上げたのが、解体寸前だったビルを改装し、古材や古物を扱う店だった。
並ぶ古物には「いつどこで、どんな人が使っていたか」を辿れるトレーサビリティのためのレスキューカードが付けられている。モノに宿る物語は「誰かの特別なものになり得る」から。彼らは古材を引き受け、次の使い手に渡す循環をレスキューと呼んでいる。古材利用のワークショップをしたり、規格外の果物をカフェで使ったり。
上諏訪では彼らが空き家の改装を手がけ、店を開く人も増えている。通称・リビセンは単なる店ではなく、運動体と呼ぶべきかもしれない。