開湯1,300年のお湯が湧くなまこ壁のシードル蔵へ
リンゴ生産の盛んな長野県には、リンゴ酒ともハードサイダーとも呼ばれるシードルのマイクロブルワリーが点在し、個性を発揮している。
〈松本十帖〉では、スタッフ創設の〈信州発酵研究所〉の活動として2021年に醸造所を開所。5種のリンゴを試した初年度の結果を踏まえ、今シーズンは「綺麗すぎず、酸化防止剤も一切使わない自然なシードル」を目指し、市内産減農薬のふじ一択で醸造している。
ホテル中庭の、なまこ壁が印象的な大正時代の土蔵が醸造所。 
内部にはオーク樽や搾汁機、サーマルタンクなどが並ぶ。
醸造の中心は、同館シェフでソムリエ資格を持つ石川大さんだ。もともとお酒と料理のペアリングを得意とするうえ、料理長兼醸造責任者の立場をフル活用。季節の地元食材でメニューを考案し、シードルはそれらと好相性の仕上げを目指すなど、高レベルで互いを補完している。
人気は、夕食コースのグリル料理などに使われる 安曇野（あずみの）放牧豚の料理。抜群のマリアージュなのだが、それもそのはず、実は醸造過程で生じたリンゴのかすは、餌として養豚所に提供され、それで育った豚をここで調理するという循環型の仕組みをとっているのだ。豚肉は、朝食の自家製ハムなどでも味わえる。
「冬にはジビエとシードルの組み合わせも提案したい」と話す石川さん。薪火を眺めながら、温泉上がりの一杯でリフレッシュしたい。
薪火グリルレストラン〈三六七〉で提供されているシードル1,320円とディナーコースから「安曇野放牧豚の薪火焼き」。ランチ＆カフェ、ディナーの外来利用が可能。 
さまざまなジャンルの本が約1万冊揃った〈Book store 松本本箱〉は、同館の象徴的存在。 
ブックホテル〈松本本箱〉の最上階角部屋にある、露天風呂付きグランスイート。北アルプスの雄大な景色と、麓に広がる松本市街地の様子が、大きく開いた客室窓と風呂からも眺められる。 
宿泊者専用の外風呂〈小柳之湯〉は、源泉掛け流し＆半露天で、シンプル＆コージーな空間。
