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これが私の“山歩”道 Vol.1 MIU、タナカカツキ、上田優紀etc.

山や身の回りの自然の中を気持ちよく歩くこと、それが“山歩(さんぽ)”。山はもちろん、郊外の緑地や街中の川辺まで。都会の喧騒を離れて息抜きができたり、その土地の歴史や文化について意外な発見があったり、おいしい水やおやつに出会えたり......今回は、心身共にリフレッシュできる、21の“山歩”道を紹介します。

現在、山の魅力を伝える特設サイト「Mt. BRUTUS」もオープン中!

illustration: Shinji Abe / text: Takuro Watanabe, Asuka Ochi, Ryota Mukai, Emi Fukushima, Koji Okano

ジブリの世界に迷い込んだような、原生林が広がる長野・白駒池コース

教えてくれた人:MIU(モデル)

白駒池の周辺には樹齢数百年の原生林が広がっています。どこを見ても美しい苔で覆われていて、ジブリの世界に迷い込んだような感覚になるんです。街にいると嫌な雨のジメッとした空気も、この場所だと心地よくて、呼吸が深くなります。山は日常と違う景色の中で、視野が広くなったような自分や周りの環境を俯瞰して見るきっかけを与えてくれるんです。山に入っているとどこか時空の違うところにいるような感覚になりますね。

日本初の森林セラピー専用の道で休み癒やされる奥多摩・登計コース

教えてくれた人:タナカカツキ(マンガ家)

サウナのためにリトアニアとラトビアへ行った時、植物を使ったウィスキングの施術を体験し、これを日本へ持っていきたいと、森林医学を勉強して辿り着いたのが、癒やしの効果が実証された「森林セラピーロード」でした。このコースには、ヨガや座禅ができる広場、セルフカウンセリングの施設などがあり、歩くことよりも休むことにフォーカスされています。五感をバキバキにして自然と溶け合った後は、もちろんサウナへ直行です!

景色とスイーツで目も舌も嬉しい山岳景勝地、長野・上高地コース

教えてくれた人:上田優紀(写真家)

緑溢れる森と一帯を流れる梓川のおかげで夏でもひんやり感じられるほど涼しい場所です。都内から直行バス(期間限定)で来られるアクセスの良さも魅力。河童橋で川を渡り、60分ほど歩くと水面に浮かぶ鳥居が目印の明神一之池が見えてきます。早朝に行けば綺麗な朝もやも見られますよ。そこから70分ほどの場所に山宿〈徳澤園〉が。ソフトクリームやオリジナルのプリンを食べつつ遠くの山々を眺めれば、疲れも吹き飛ぶはずです。

photo/Aflo
日本アルプスの総鎮守、交通安全、産業安全の守り神として古くから崇められてきた穗髙神社奥宮の鳥居。神社の先には、木々を湖面に映す神秘的な雰囲気の明神池がある。

都市の知らなかった一面に出会える、樹木を巡る東京・都心部コース

教えてくれた人:ルーカスB.B.(クリエイティブディレクター)

東京って樹齢1000年ほどの古木もあるし、実はグリーンが多い街なんです。そんな樹木に会いに歩くのが「Tokyo Tree Trek」。遠くの自然ではなく、都市にいても素敵な木に会えるんです。大きな木からはエネルギーをもらうだけでなく、友達になるような感覚です。歩くといろんな発見があるから楽しいですよ。歩いている間はおやつの時間もとても大事!おいしいものがあるのも都会ならではの楽しみです。

自然と人間の関係を考える、旧道を歩く北海道・知床朱円地区コース

教えてくれた人:エレナ・トゥタッチコワ(アーティスト)

知床(しれとこ)半島の付け根に近い朱円(しゅえん)地区は知床をよく理解できる土地です。畑の間の道から森へ、森から海へ、海から川へと歩き続けると、動物の気配を感じ、人の生活も見られて、自然と人間の世界の境目がなく皆が共存するべき環境にいると実感します。この道の美しさは、やはり歴史、社会、環境、自然と人間の関係を考えさせられることにあるでしょう。この場所を通して生きることについてなにか普遍的なことを確認できる気がします。