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私の腕時計。歌人・伊藤 紺と「〈カシオ〉G‒SHOCK」

メンズもレディースも超えて好みの一本を着ける人もいれば、一方で、道具として使い倒す人も。今、時計はより自由に楽しまれているといっていいかもしれません。歌人・伊藤 紺さんが語る愛のある一本の話。

本記事は、BRUTUS「それでも欲しい時計、どれですか?」(2024年11月1日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

photo: Kazuharu Igarashi / text: Takuro Shii

今、あえて時計を着けるなら意味のなさを楽しみたい

腕時計はずっとしてこなかったんですが、1年ほど前に、衝動的に欲しくなって購入したのがG‒SHOCK。買ってからはほぼ毎日着けています。

スマホでも時間がわかるのに、わざわざこんなに大きいものを腕に巻いているおかしさや、私には絶対に必要ないくらい頑丈でタフな仕様が、なんだか愛おしいんですよね。

液晶までスケルトンなので、時間も見づらいんです。でもちゃんと活躍する瞬間もあって、それはサインを書く時。日付と一緒に時間まで書くようにしているんです。手に取ってくれた人が「冬の早朝に書いてくれたんだな」とか「年末の夜遅くだったんだな」とか想像できる余地があると面白いかなって。

そんなふうに仕事を助けてくれるのも魅力ですね。

〈カシオ〉G‒SHOCK DW‒6940RX‒7JR
2023年に発売されたG‒SHOCKの40周年限定モデル。「サイズはいわゆるメンズウォッチなんですけど、店員さんに“女性が武骨で大きい時計をしているの、すごくいいと思います!”と乗せられて、まんまと買わされました(笑)」
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