主役は、あくまで靴。しかし、手元には抜かりなく
もともと時計はあえて避けていたんです。靴を磨いている時に手首に目が行くとよくないと思っていたので。ただし、時計は好きで、店を開いてからは、メーカーもわからず、小ぶりなヴィンテージのミリタリーを着けるように。
そんな折に縁あってヴィンテージウォッチを取り扱う横浜の〈内村時計店〉の店主と知り合ったんです。日本人だから国産メーカーを着けたいとずっと考えていたのと、小さい径が好きということを相談すると、60年代のロードマーベルを薦めてくれました。
以来、一番着けている一本かもしれないです。最近は店に立つことも減りましたが、スケジュールは詰まっているので、やっぱりあった方がいい。ヴィンテージですが傷も気にせず使っています。

国産初の毎時36,000振動を実現した当時〈セイコー〉の中での高級モデル。「これは1969年製造みたいで、もともと文字盤は白なのですが、〈内村時計店〉が黒にリペイントしているものです。5年使っていますが、精度もすごく高いです」