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私の腕時計。靴磨き家・長谷川裕也と「〈セイコー〉ロードマーベル 36000」

メンズもレディースも超えて好みの一本を着ける人もいれば、一方で、道具として使い倒す人も。今、時計はより自由に楽しまれているといっていいかもしれません。靴磨き家・長谷川裕也さんが語る愛のある一本の話。

photo: Kazuharu Igarashi / text: BRUTUS

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主役は、あくまで靴。しかし、手元には抜かりなく

もともと時計はあえて避けていたんです。靴を磨いている時に手首に目が行くとよくないと思っていたので。ただし、時計は好きで、店を開いてからは、メーカーもわからず、小ぶりなヴィンテージのミリタリーを着けるように。

そんな折に縁あってヴィンテージウォッチを取り扱う横浜の〈内村時計店〉の店主と知り合ったんです。日本人だから国産メーカーを着けたいとずっと考えていたのと、小さい径が好きということを相談すると、60年代のロードマーベルを薦めてくれました。

以来、一番着けている一本かもしれないです。最近は店に立つことも減りましたが、スケジュールは詰まっているので、やっぱりあった方がいい。ヴィンテージですが傷も気にせず使っています。

セイコー ロードマーベル 36000
〈セイコー〉ロードマーベル 36000
国産初の毎時36,000振動を実現した当時〈セイコー〉の中での高級モデル。「これは1969年製造みたいで、もともと文字盤は白なのですが、〈内村時計店〉が黒にリペイントしているものです。5年使っていますが、精度もすごく高いです」

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