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私の腕時計。音楽家・江﨑文武と「グランドセイコー 和光専用モデル」

メンズもレディースも超えて好みの一本を着ける人もいれば、一方で、道具として使い倒す人も。今、時計はより自由に楽しまれているといっていいかもしれません。時計好きの音楽家・江﨑文武さんが語る、愛のある一本の話。

本記事は、BRUTUS「それでも欲しい時計、どれですか?」(2024年11月1日発売)から特別公開中。詳しくはこちら

photo: Koh Akazawa / hair&make: Yasunori Watanabe / text: Mutsumi Okazaki / cooperation: BAROOM

時刻を知る以上の技術が詰まった、時計というロマンに憧れる

腕時計に惹かれ始めたのは小学2年生の頃。風呂にも持ち運べる、防水仕様のものに感動して。メカ好きなので、当時は時間の確認だけではない、特別な機能に魅力を感じていたんです。例えば、文字盤の国と都市名を秒針で選ぶと、タイムゾーンの時間に切り替わるもの。初めての海外で、一瞬で時間が変わり感動したのを覚えています。

でも、高校生の時に「実は、全部アナログの方が格好いいんじゃないか?」と思い始めて。〈スウォッチ〉の自動巻きを手に入れ、そこから徐々に、機械式にのめり込んでいきました。

最近のここぞという時の一本は〈グランドセイコー〉の和光限定モデル。2022年に〈SEIKO HOUSE GINZA(旧・和光本館)〉の時計塔90周年記念の楽曲を書いたタイミングで出会ったんです。通常のモデルにはない37㎜のサイズ感が気に入っていてドレスアップ時には必ず身に着けています。

裏蓋がスケルトンになっていて、機械式の魅力もすごく詰まっている。時計塔の歴史とブランドの哲学が感じられる、背筋が伸びる一本です。

グランドセイコー 和光専用モデル SBGH241
グランドセイコー 和光専用モデル SBGH241
〈セイコー〉の前身〈服部時計店〉創業から歴史が始まった和光のための特別なモデル。文字盤上の12、6、9のアラビア数字は和光のビルの時計塔へのオマージュ。「特殊なカッティングが施されてキラキラと反射するケース、シャンパンゴールドの文字盤は、派手すぎず、上品な高級感が絶妙です」
江﨑文武がピアノを弾く様子
ステージでピアノを演奏する時は基本的に外しているが、タキシードなどを着る機会では必ず〈グランドセイコー〉を着けているという。
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