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作家・山田由梨の好きな器と、その付き合い方

個展に並んで手に入れた若手作家の器、旅先で一目惚れした骨董品、知人からもらった思い出深い一皿……器には、一つ一つに使い手のストーリーが詰め込まれています。カジュアルに楽しむ新世代の器好き、山田由梨が語る、とっておきの逸品と、その使い方。


 

photo: Masanori Kaneshita / text: Kohei Hara

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毎日使うほど愛着のあるお皿は実家から譲り受けたもの

私の家にある器たちには、祖父や母から譲り受けたものが多くあります。実は、実家の庭には焼き窯があって、祖父が趣味で陶芸に打ち込んでいたんです。

お皿だけじゃなくて急須なんかも作っていたし、陶磁器もたくさん収集していて。私が実家から出た時には、「家に山ほどあるから買わなくていいよ」と母に言われたくらいでした。

それでたくさんあった中から私が選んだのがこのお皿。確証はないのですが、おそらく有田焼だと思います。今ではほぼ毎日使っているくらい愛着があって、しめサバや自作のぬか漬けをのせたり。この独特な楕円形が重宝しています。

実家にたくさんある器の中でも特別かわいいなと思って持ってきたものですが、自分ではわざわざ買わないテイストかもしれない。そういう出会いもいいですよね。祖父のようにのめり込んでしまうと思うので少し怖いですが、いつか自分でも器を集めてみたいです。

磁器皿
祖父と母の収集コレクションから選んだ磁器皿。
澄み渡る白い磁肌に鮮やかな絵具によってナスなどの野菜の絵付けがされていて、伝統的な温かみを感じる磁器皿。「家にはこういうシンプルなものや和柄の器が多いですね。自分で選んだらもっと今風なデザインのお皿を買いそうだけど、これは使いやすいしどんな料理にも合うんですよね」

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