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ラッパー・環ROYの好きな器と、その付き合い方

個展に並んで手に入れた若手作家の器、旅先で一目惚れした骨董品、知人からもらった思い出深い一皿……器には、一つ一つに使い手のストーリーが詰め込まれています。カジュアルに楽しむ新世代の器好きラッパー・環ROYが語る、とっておきの逸品と、その使い方。

photo: Jun Nakagawa / text: Ku Ishikawa

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造形も色つけも、“らしくない”くらいシンプルなFat Lava

音楽はサブスクで全然いいですし、もともとそんなにものを買わないんです。でもだからこそ、買う時は相当選びます。家の飾り棚の小さな一角が僕のスペースで、そこに気に入ったものをいくつか置いていて、この花器は、友人に教えてもらったFat Lavaの専門店〈kiis works〉が東京でポップアップしている時に買いました。

主宰している方は自身も工芸作家で、2016年にドイツの器に魅了されて以来、好きが高じて売り手になったと聞きました。真っすぐでいいですよね。Fat Lavaといっても、日本の民芸物と同じように、釉薬の種類や、技法、型取りなど、ものによって全然違う。

僕がこれを気に入ったのは、売り物の中で一番シンプルな造形で、素朴な雰囲気を感じられたから。そうそう、ものを選ぶ基準は家に置いてあるものと合うかどうかなんです。〈Artek〉のスツールなど、北欧の家具があるので、調和が取れそうだなって。

〈Hartwig Heyne〉の花器
〈Hartwig Heyne〉の花器。
この花器は1850年にドイツ東部(現ポーランド)で設立された陶器メーカー〈ハルトヴィッヒ・ハイネ〉のもの。人口330人ほどの村で設立し、ハンドメイドで製作。大阪に予約制の実店舗を持ち、様々な場所でポップアップを行う、Fat Lavaの専門店〈kiis works〉にて購入。「何を生けるでもなく、造形美を目で楽しんでいます」

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