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書道家・中 友香の好きな器と、その付き合い方

個展に並んで手に入れた若手作家の器、旅先で一目惚れした骨董品、知人からもらった思い出深い一皿……器には、一つ一つに使い手のストーリーが詰め込まれています。カジュアルに楽しむ新世代の器好き書道家・中 友香が語る、とっておきの逸品と、その使い方。

photo: Masanori Kaneshita / text: BRUTUS

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手作りから生まれる重厚さと使いやすさ

制作期間中は、集中して食事をとるのも忘れてしまうので、夜に1回たくさん食べるようにしているんです。でも一方で、その1回は特別なので、食器もこだわるようにしています。最近愛用しているのが、〈Birbira〉。大皿、ゴブレットグラス、顔の彫刻がされたオブジェ、花器を集めていますね。

もともと書道で京都に行くことが多くて、よく立ち寄っている〈スターダスト〉というカフェで使われていたんです。ある時お店で展示が開催されると聞いて、そこで初めて購入しました。作家ご本人にも会って説明を聞いたんですが、轆轤(ろくろ)は使わず、土を彫ったり、粘土のようにくっつけたりして作っているそうです。

生活の中で使われることを考えて作っているので、特徴的な造形ながらもとても使いやすい。個人的には重厚感がある器が好きなんですよね。使っていない時でも、厚みのある器が重ねてある造形美に心惹かれるんです。

〈Birbira〉の大皿、ゴブレットグラス、オブジェ
〈Birbira〉の大皿、ゴブレットグラス、オブジェ。
造形作家・中野加奈子による〈ビルビラ〉は、白一色の陶器を素材に花瓶や食器、さらにはオブジェなどを制作している。「顔の造形が施された小さなオブジェは、よく筆入れに使っています。仕事の最中も好きなものに囲まれているというのは、一番幸せなことです。作家さんいわく、モデルは夫の方のお顔だとか(笑)」

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